辻よし子と歩む会
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+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +

2024.12.11
環境建設委員会が終わりました

辻よし子です。

本日、環境建設委員会が開かれました。今回は内容が盛りだくさんで、9時半から始まった審議が全て終わったのは、3時近くでした。
その中から、五日市駅前施設の条例案と、瀬音の湯の指定管理について、私の感じた問題点を中心に報告します。

(1)五日市駅前施設の設置および管理に関する条例

市民不在で拙速に進めた結果が如実に現れた条例案だったように思います。
第1条の設置目的では、この施設を「学習の場」としていますが、その目的を達成するためとして第3条に掲げられている事業は、観光やまちづくりの情報発信、地域活性化のためのイベント、施設の貸出です。それが学習拠点としての事業なのだろうか?? ピンときません。
市側の説明では、ここで言う「学習」は、観光客や通勤客等々市外・市内を問わず多様な人々が、自分の人生をより豊かで充実したものにしていくための広い概念の「学習」なのだそうです。これでは、なんでもあり。結局、「箱」を造ることが先行してしまい、一体誰が、何のために、この施設を使うのかは、蓋を開けてみないと分からないということなのだと思います。
そのため、施設の利用料金や貸し出しの方法などは、市内の既存の文化ホール等に準じた内容になっています。一方で、今年度改定される観光推進プランでは、企業研修受入れのための中心施設に位置づけられています。市報でも、この施設の用途として企業研修が冒頭に書かれていました。そして、市内では初めての年中無休の施設にするそうです。
維持管理費は年間約3000万円と試算され、その半分を使用料で賄えるように使用料を設定したそうです。ただし、365日、朝9時から夜10時まで、すべて予約で一杯になると仮定した場合の計算ですので、そこまでの収入があるとは思えません。結局、維持管理費にかなりの税金を充てることになるでしょう。その施設が企業研修メインの「学習の場」になるとしたら、本当におかしな話です。
本日の委員会審議では、こうした問題を質疑を通して浮き彫りにしながら、条例案に反対をしました。

(2)「瀬音の湯」の指定管理者に第3セクター・新四季創造株式会社



写真の資料を配付し、瀬音の湯の経営状況について気になる点を質問しました。R4年度に人件費が膨らんだことが、収支の大きな落ち込みにつながったことがグラフから読み取れます。では、なぜR4年度に人件費が膨らんだのか、ということですが、R2年に匿名でパワハラ被害の訴えがあり、それがきっかけとなってR3年に市から労務改善指示書が新四季に出されました。その結果、契約社員や派遣社員が正社員となる等、適正な雇用形態に引き上げられ、それが人件費の増額につながったことが分かりました。そして、翌年は、赤字を出していたレストランを外部委託にした結果、約4千万円の人件費を削減。それ以外にも2千万円の人件費が削減されました。レストランの外部委託においては、業者選定に明らかな不備があったことは、以前の一般質問で取り上げた通りです。
この5年間の指定管理においては、他にも、直営レストランにおいて、オーストラリアン産牛肉を和牛と表示して提供するという不祥事がありました。
いずれも重大な出来事だったにもかかわらず、モニタリング報告書には、これらのことについて何も記載されていません。本来であれば、指定管理者選定委員会の中で、新四季がこれらの出来事について総括をし、現在どのような改善が図られ、今後どのようにリスク管理を図っていくのかを提示し、審査の俎上に乗せるべきだったと思います。特に、レストランの出来レースが疑われる業者選定については、有耶無耶に終わらせてしまったこともあり、今回の新四季創造㈱の指定管理には賛成できませんでした。
瀬音の湯については、あきる野市の重要で魅力的な観光施設だと思っています。今回の審議に当たって、約20年前の開設当時の資料をいくつか読ませていただきましたが、当時の市や新四季の瀬音の湯に掛ける意気込みが文章の随所から伝わってきました。現在、瀬音の湯は、施設の老朽化、観光産業の競争の激化、人手不足、地元の高齢化など、厳しい局面に立たされています。今日の審議の中でも敢えて発言させていただきましたが、温泉施設は、学校のような公共施設と異なり、所有権も含めて民間に払下げるという選択肢があります。瀬音の湯をどうしていくのか……、間近に迫った大規模改修がその分岐点になるのではないでしょうか。市がもう一度本腰を入れて、瀬音の湯を市の観光施設として盛り立てていくのか、それとも、民間払下げに舵を切るのか、開設当初の理念を再検証する必要があるのではないかと思います。


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