+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +
2024.05.31
議会初日が終わりました
辻よし子です。
議会初日が終わりました。
五日市駅前施設・建築工事の請負契約(2億3023万円)の議案に絞って報告します。
五日市駅前施設の整備事業については、これまでも報告している通り、進め方があまりに拙速で問題が多く、今回の請負契約の議案には反対をしました。結果は、自民党、公明党、立憲が賛成、私と共産党としょうじ議員が反対し、賛成多数で可決されました。
議案に対して様々な質問をしましたが、市の答弁に首を傾げるものが多く、そのうちの2点について報告します。
●多摩産材の調達は大丈夫?
今回の木造施設について、設計では99%多摩産材を使用することになっています。情報公開で入手した執行伺書を見ると、6メートルの直材(杉)を99本、5メートルの直材(杉)を128本使用することになっています。一般的に市場に出回っている直材は3,4メールがほとんどで6メートルの直材は少ないという話を聞いたことがあります。
そこで、都内唯一の原木の市場である、多摩木材センターの市場状況を当センターのHPで確認してみました。すると、直近の1年間、24回の市場において、長級6メートルの杉の原木が出されているのは、わずか5回しかないことが分かりました。残りの19回は売りに出されていないということです。
このことを踏まえ、材木会社の社長である中嶋市長に、
「現在の工期(来年3月14日工事完了)内に、6メートルの直材99本、5メートルの直材128本を多摩産材で無理なく調達できるものなのかどうか、これまでのご経験も含めてお聞きしたい」
と市長に質問しました。
しかし、なぜか市長は答弁に立ちませんでした。
代わりに答弁に立った部長は、工事受注会社にとって調達可能な内容の設計になっているのだから問題ない、と答弁。多摩産材の市場状況に基づく調達の見通しについて尋ねた質問に対しては、まったく答弁になっていませんでした。
そこであえて、仮に工期内に多摩産材が調達出来なかった場合は、他の木材で代用するのかどうか? もし、そうなった場合は、どのような形で市民に情報提供するのか、と質問しました。
なぜなら、設計会社の提案書には、「多摩産材を構造から仕上げ・家具まで活用し、多摩産材のショールームになる建物にする。そのために、地域の力を結集する」と書かれており、3月の予算特別委員会でも、市は「製材117.13立方メートルの内、116.67立法メートルに多摩産材を使用する(99.6%)」という答弁をしているからです。
しかし、担当部長の答弁は、設計通り多摩産材で建てることを目指している、と述べるだけで、質問に対する答弁を避けました。
私の質問が単なる杞憂に過ぎないのであれば、木材の市場に詳しい市長が調達の見込みについて説明すればいいだけだと思うのですが、なぜか市長が答弁に立つことはありませんでした。
●どこの製材所から調達したか、流通過程を証明するという約束は?
今回の工事に当たって、仮に中嶋市長の会社から木材を調達したとしても違法ではありませんが、決して望ましいこととは言えません。この点について、中嶋市長はこれまでの議会答弁において、自分の会社が木材を売るようなことはしないし、売っていないことが示せるようにする、という趣旨の発言をしていました。
それを受けて、3月の予算委員会では担当課長から「今回の工事においては、多摩産材である証明と併せて、多摩産材以外の木材についても、流通過程を証明することを工事特記仕様書に記載、明示する」という答弁がありました。
そこで、本日、どのように工事特記仕様書に明記したのか質問しました。すると、驚いたことに、この点に特化した市独自の特記事項は何も書かれていないことが分かりました。
一般的な仕様書である「公共建築木造工事標準仕様書」に従えば問題ない、というスタンスです。同仕様書では、「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」の指示する証明書を提出することになっていて、その証明書で流通に関わった製材所の名称がすべて分かるというのです。
しかし、このガイドラインは違法伐採による木材ではないことを証明するのが目的で、最終的に工事受注者が入手する証明書は直近の納入業者の証明書だけではないかと思います。この疑問を質問として投げましたが、結局、議会では平行線になってしまいました。後日、改めて確認するつもりです。
それにしても、なぜ、予算委員会の答弁に従って、簡潔明瞭に証明できる方法を特記仕様書に入れなかったのか、不思議でなりません。
非常にもやもやした思いが残る審議でした。
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