辻よし子と歩む会
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+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +

2024.03.05
一般質問が終わりました

辻よし子です。

一般質問が終わりました。
傍聴にお出でくださったみなさん、ありがとうございました!

一般質問で明らかにした2つの内容
・野辺土地区画整理事業について
・市民参加のまちづくりについて
について報告します。


(1)野辺土地区画整理事業について

施工者の、考えられないような測量の誤りにより、当初は浸水しないとしていた100区画以上の宅地が、実際はすべて浸水リスクのあることが分かりました。
区画整理法では、施行者に事業を的確に施行する能力の無い場合は、認可しないことができると規定しています(土地区画整理法第9条)。
しかし、行政は、施行者が誤りを反省し、防災対策を着実に履行することが確認されたとして、工事再開を認めました。

では、どんな対策を取ったのか?
浸水を低減する対策は、部分的に10㎝~90㎝地盤を高くするだけ。そのため、100区画以上の宅地がすべて浸水リスクのあることに変わりありません。
しかも、床上浸水になる割合が高いままです(モニターに映した資料を添付します)。




遊水池については、浸水エリアに造っても効果がないという、理由にならない理由でまともに検討されませんでした(遊水池は、川沿いの低地に造るのが普通。洪水を一時的に溜めて周囲の浸水を防ぐ施設です)。
浸水被害に備え、緊急避難所を整備するといいますが、施行者が建設するアパートの屋根裏部屋を地域住民に開放するという計画。
アパートに管理人を置くわけでもなく、屋根裏部屋には水道もトイレもありません。運営は地域住民任せで、市はこの避難所がちゃんと機能するかどうかについて、責任を取らないとの答弁でした。
さらに、新年度、市が更新する新たなハザードマップには、今回の宅地造成による地形の変化は反映されず、新ハザードマップでは、この地区は浸水エリアではない、という表示になることが分かりました。
施行者は、契約の際に浸水リスクのあることを説明するそうですが、契約の段階では遅すぎます。
購入を検討する段階で、購入希望者に、浸水リスクのあることを確実に伝えるのが、せめてもの行政の責任ではないでしょうか。
そのためには、売り出しの際に、現地に浸水エリアであることが分かる看板などの表示をするように求めました。
答弁としては、「課題の1つとして捉えているが、現在は未検討」とのことでした。
恐らく、造成後の地盤高がハザードマップに反映される時期が遅れるため、表示の仕方に課題があるだと思います。
確かに、浸水深を確定することはできないのかもしれませんが、浸水エリアに入ることは確実なのですから、表示の仕方を工夫して、購入希望者に伝えるべきです。
行政の責任として、しっかりと目に止まる場所に、分かりやすい表示していただきたいと思います。


(2)市民参加のまちづくりについて

今回、このテーマを取り上げたのは、言うまでもなく五日市駅前開発の強引な進め方について、改めて、問題提起するためです。

確認を取った内容は、
*駅前開発という複数の所管課が関わる大きなプロジェクトであるにもかかわらず、具体的な計画案策定において、庁内で一度も会議が開かれていない。
*設計業者を選定するためのプロポーザル実施要領については、所管課が、関係する他部署を個別に回って協議し、協議の結果をその都度、市長・副市長に上げて調整するという作業を繰り返して策定した。
*会議が開かれず、個別の協議だったため、その間の検討過程は、なにひとつ記録に残っていない。
*パブコメでは、「シャワー設備を完備して欲しい」、「特産品の販売所が欲しい」等々、具体的な提案が様々されたが、市は判で押したように「施設の詳細な内容は、今後の設計で検討する」と回答していた。ところが、市は設計に入る前に、移住定住窓口、100人収容の多目的ホール、更衣室、ロッカールームを設計の条件に入れてしまった。なぜ、これらの設備だけが優先されたのか、市長の意向によるものなのか……、記録がないのでブラックボックスになってしまった。

本来であれば、市民公募の委員や専門家などを入れた会議体で計画案を策定すべき事業だったと思います。
せめて、庁内にPTをつくって検討する必要がありました。それらをすっ飛ばすことになったのは、来年度から運用という無理筋の指示が、市長から出されたからではないでしょうか。
また、会議が開かれなかったにしても、途中の検討過程を記録に残しておくべきだったと思います。
行政は、市民の知る権利を保障するために、政策形成過程を公文書として記録に残す責任があります。2011年4月に施行された公文書管理法に、そのことが示されています。
今後、あきる野市においても、この法律に基づいた公文書管理条例の制定が必要なのではないかと提案しました。
そして、すでに公文書管理条例を制定している小平市の条文紹介しました。

第4条
実施機関の職員は、当該実施機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該実施機関の事務及び事業の実績を、合理的に跡付け、
又は検証することができるよう、文書を作成しなければならない。ただし、処理に係る事案が軽微なものであるときは、この限りでない。

また、文書の作成の次の大切なことは、その文書を開示することです。
行政は、検討途中の情報を見せたがらない傾向があります。しかし、政策形成に市民が参加するには、検討途中の情報を共有する必要があります。
あきる野市では、2020年に情報公開条例を改正しました。
それまでは、検討途中(条文では意思形成過程)の情報のうち、市民の間に混乱を招く怖れがある場合は、非公開にできる、とされていました。
しかし、なんでもかんでも、市民の間に混乱を招くという理由で非開示されては困ります。
そこで、「不当に」混乱を招く恐れがある場合とし、「不当に」を加えることで、非開示にできる情報を限定的にしました。
実は、このような改正は、多くの自治体で既におこなわれており、あきる野市はかなり遅れての改正でした。

しかし、どうもこのところ、あきる野市は条例改正の精神を忘れてしまったのか、黒塗りになって出てくる情報が少なくありません。
今日は、その1つとして、黒塗りになった市長の面会記録をモニターに映し(面会の用件が黒塗りにされている)、
情報公開が後退しているのではないかと、事務方のトップである副市長に質問しました。
それに対して、副市長が、「まるで私が副市長になってから、後退しているように言われていますが・・・・」と切り出したのには驚きました。
そのようなことは一言も言っていないのですが・・・。
そして、「情報公開の手引きに従って進めており、後退はしていない」という答弁。
私からは、手引きに書いてある文章の解釈の仕方に問題があるのであり、情報公開が市民の知る権利を保障するためにある、という意識が希薄になっていることを指摘しました。

そして、最後に、市民参加と市民協働との違いについて取り上げました。
今回の答弁を通して、市は、「市民参加」を「市民協働」の手法の1つと考えていることがわかり、正直、驚きました。
自治基本条例に基づいて、市民参加と市民協働を定義している、安城市の条例を紹介しました。

「市民参加とは、 市の施策の企画立案、実施及び評価の各過程に市民が主体的に関わり、行動することをいう。」
「市民協働とは、市民、地域団体、市民活動団体、事業者及び市が地域の課題を解決するために、それぞれの特性を生かして補完し合い、協力することをいう。」

市民参加のまちづくりは、主権者である市民が、市民自治という理念の下に進めるものであり、
市民参加とは、市民協働の手法のひとつなのではなく、市民協働以上に、まちづくりの根幹をなす、理念だということです。
敢えて言えば、市民参加のないまちでの市民協働は、単なる行政の下請けになりかねません。

そして、最後に、自治基本条例に基づいて市民参加の取組を分かりやすくまとめている熊本市のマニュアルを紹介しました。
その中には、パブリックコメントの案件については、パブリックコメントだけで終わらせるのではなく、それ以外の市民参画の手法を取り入れるように、ということが書かれています。

あきる野市が、五日市駅前開発についてパブリックコメントだけで市民との合意形成を図ったと強弁していることが、いかにおかしなことかが良く分かると思い、敢えて、この点を最後に付け加えました。


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