+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +
2023.09.09
一般質問が終わりました
辻よし子です。
昨日、一般質問が終わりました。大雨の中、多くの方々に傍聴においでいただき、本当にありがとうございました!
前半は、宅地開発における防災上の看過できない問題について取り上げ、後半は、五日市駅前市有地の問題を中心に、
公平性の観点から疑念の持たれる事実を示し、市長の政治姿勢を質しました。
少々長くなりますが、最後までお読み頂けると幸いです。
<野辺の土地区画整理事業、一時中断>
3月議会で指摘した問題について、その後事実確認が行なわれ、施工業者が東京都に提出した図面に重大な誤りがあったことが、
昨日の答弁でハッキリと示されました。現在、東京都の指示により、工事は中断しているとのことです。
実際の地盤の高さよりも約3メートルも高い数値を図示し、浸水想定区域に入らないとして、土地区画整理事業の認可を受けていたのですから、とんでもない話です。
このまま気付かずに事業が進んでいたら、浸水対策がおざなりにされた状態で、約100戸の家が建ち、200人以上の人が住むことになっていたと思います。
さらに、宅建法で義務づけられている、浸水想定の説明をしまいまま、土地建物の売買がされた可能性もあります。
今回の数値の誤りは、素人でもおかしいと気付く間違いで、その影響も非常に大きいことを考えると、
誤りを見抜けなかった行政の社会的責任も避けられないと思います。
また、今回の資料の誤りが、施工業者の意図的な行為だったのかどうか、未だ、明らかにされていません。
そもそも3メートルも異なる図面で宅地開発をしようとしていたこと自体が、業者の施工能力が疑われる問題です。
それがもし意図的におこなわれていた場合、それでも行政は、そのまま同じ業者に区画整理事業をやらせるのか、ということです。
答弁では、現在、東京都と施行者の間で資料の確認作業や協議をおこなっているとのことでした。
意図的な行為と疑われて当然の内容ですので、誤りの原因を有耶無耶にすることは許されません。
そのことをハッキリさせることが、ある意味、誤りを見抜けなかった行政の責任ではないか、と意見を述べました。
<五日市駅前市有地の活用と瀬音の湯レストラン問題>
●驚きの「合意形成」
9月1日の補正予算審議ではだんまりを決めていた市長が、昨日は答弁に立ちました。
しかし、答弁の内容も答弁に立つ態度も市長としてはあまりにもお粗末で、呆れるばかりでした。
まず、合意形成についての考えを質したところ、いろいろな意見を聴いた上で、良い指摘は取り入れていくことが、
中嶋市長の考える合意形成とのこと。1年前から何の進歩もないことにがっかりしましたが、なるほど、そういう考え方なので、
パブリックコメント=合意形成という安易な方法が、駅前の公共施設建設でまかり通ってしまうのだと思いました。
合意形成とは、言うまでも無く、多様な考え方や価値観がある中、話合いや議論を重ねて、相互の意見の一致を図ることです。
中嶋市長の考えは、いかにも社長的発想。
主権者は市民であり、市長の持つ権限は市民から付託されたものである、という民主主義の基本をどれだけ理解されているのか……。
●市長就任直後に決まっていた駅前市有地活用のタイムスケジュール
駅前市有地の活用計画については、情報公開等によって明らかになった以下の点を示しました。
*中嶋市長が就任してから、わずか10日後に、庁内会議が開かれ、市長の指示に基づき、2025(令和7)年度に駅前施設の運用を開始するスケジュールが決められていた。
*その時点で、既に、五日市まちづくり協議会からの提案を受けて、計画を進めることが決められていた。
*五日市まちづくり協議会の発起人は、五日市活性化戦略委員会(以下、活性化委員会)と五日市商和会であり、中嶋氏は、当時の活性化委員会の会長であった。
*しかし、活性化委員会が発起人になることについて、活性化委員会の会議では一度も議論されていなかった。
*活性化委員会の会議で一度も議論されないまま、市が活性化委員会に出している交付金の一部が五日市まちづくり協議会の活動費になっていた。当時の会長は中嶋氏。
*五日市まちづくり協議会のHPの作成・運営費56万6500円は、その交付金から出ている。
*五日市まちづくり協議会のHPは今年1月頃から更新されておらず、市に提出した報告書さえも掲載されていない。会議録は、昨年11月の設立総会のみしか掲載されておらず、どのような話合いがされているのか中身が何も分らない。
以上のことを踏まえ、市長が議員時代に立ち上げ、市長との関わりが非常に深い団体からの提案を受けて、公共施設を造ることは、公平性の観点から問題ではないかと述べ、市長の考えを質しました。
しかし、中嶋市長は、公平性の問題についてまともに答えることなく、活性化委員会は議事録に残る会議以外でも話をしているとか、
自分の一存で発起人になったわけではなく主要メンバーでは話していた等々、怒ったような口調でまくし立て始めました。
あまりに長いので、議長に「議事進行」を求めました。一度は、議長から「公平性について答えるように」と注意を受けましたが、
たいした改善は図られず、結局、まともな答弁は得られませんでした。
【あきる野市議会 本会議録画中継】
令和 5年第1回定例会9月定例会議(第5日 9月 8日) 一般質問
※「(2)五日市地区の活性化における合意形成と公平性について」におけるやりとりの29:00辺りからをご覧ください。
私からは、「市長は、独任制の執行機関で強い権力を持つこと。その権力はあきる野市民全体から負託されたものであること。
市民全体のために正しく権力を使うためには、人や団体との関係において、市長には高い中立性が求められること。
それだけに市長は、議員時代の人間関係とは一線を引き、むしろ、距離を置くぐらいの覚悟が必要であること」
を意見として言わせていただきました。
●瀬音の湯レストランの委託業者選定における疑念
瀬音の湯のレストランは、瀬音の湯全体の経営改善のために、今年の春から外部委託になりました。
その公募方法にまず疑問を感じました。
これまで直営だったものを初めて外部委託にするのですから、公募にあたってはそれなりの周知期間が必要なはずです。
しかし、新四季創造株式会社のHPで外部委託に切り替えることを公表してから、わずか2週間で応募締め切り。
あまりにも短すぎるのではないでしょうか。
そこで、どのような選定が行なわれたのか確かめるために、応募した3社の提案書と審査結果を情報開示請求しました。
その資料を詳しく見る中で、不思議なことに気付きました。
*採点の評価項目の1つに「店内のデザイン・レイアウト」(グラフでは略して「デザイン」)があり、
選定されたA社が高得点で、B社、C社は低い点数になっています。
募集要領には、提案すべき項目が具体的に示されているのですが、実はその中に、「デザイン・レイアウト」は入っていません。
そのため、B社、C社は「店内のデザイン・レイアウト」については何も提案をしておらず、それに対して0点を付けている審査員もいます。
そうした中、なぜか、A社だけがデザイン・レイアウトについて写真や図を使った詳細な提案をし、全員から満点をもらっています。
とても不思議です。
*評価項目のスケジュールについても、募集要領では提案することを求めていません。
そのため、こちらは応募した3者ともスケジュールを提案していません。
ところが、評価点を見ると、A社だけ、他の2社と比べて圧倒的に高い点数が付いています。
3者とも何も書いていないのに、なぜ、A社だけが高い点が付いているのでしょうか。
*財務資料には収支計画が含まれますが、やはり収支計画も提案するよう求められておらず、3社とも提案資料に収支計画はありません。
ところが、評価点を見ると、やはりA社だけ、他の2社と比べて高い点数が付いています。
不思議です。
*そして、A社の提案書だけボリュームがあり、写真も豊富に使われていて、その提案資料の表紙には、
「瀬音の湯レストラン・リニューアル企画書」というタイトルが付けられています。
しかし、今回の募集は「秋川渓谷瀬音の湯内、和食ダイニング川霧出店者募集」です。
リニューアルの提案を求めたものではありません。
そして、「リニューアル企画書」には、19/11/2022という記載があります。
2022年11月19日作成であるとしたら、公募が始まる約3ヶ月前です。
以上の事実に基づき、瀬音の湯のレストランの業者選定は、「出来レース」の疑いが非常に高いと言わざるを得ないことを指摘しました。
その上で、市が設置・管理をする公共施設で起きている問題として、また、指定管理者である新四季創造株式会社の社長として、
市長に事実確認をおこなうように求めました。
すると市長は、
「昨日、そういう質問が出るらしいことを聞いたので、本人に電話をして確認をしたら、
ああいう提案書はいろいろなところに出すことがあって、前に出した資料の日付がそのまま残ってしまっていた、とのことだった」
というような答弁をしました。
市長が、委託業者の社長本人に、いきなり、直に電話をして話を聞いたということに、まず、驚かされました。
いずれにしろ、そのような説明だけで疑念が払拭されるわけはなく、審査員の点数の付け方や、
リニューアルオープン企画書というタイトルで提出された理由なども含めて、しっかりと事実確認を行なう必要があります。
最後に、瀬音の湯のレストランを受託するA社の社長が、五日市まちづくり協議会のメンバーの1人であり、
駅前市有地活用の報告書の取りまとめ役になっていることを示し、このままでは、市有地活用事業全体に対して、
市民の間で、当然、様々な疑念を生じるだろうと述べました。
そして、市有地の活用については、合意形成の面からも、公正性の観点からも、一旦白紙に戻すべきではないかと市長に質しましたが、
まったく聞く耳を持ちませんでした。
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