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2023.06.22
議員全員協議会 - 五日市駅前市有地の活用計画

辻よし子です。

6月議会報告の最後として、議員全員協議会に出された五日市駅前市有地の活用計画についてお伝えします。

<資料> 五日市駅前市有地の活用について

五日市駅前市有地の活用については、本来、市が広く市民の意見を吸い上げる仕組みを作り、丁寧に合意形成を図りながら計画を練っていくべきだと思います。
ところが、そうしたプロセスをすっ飛ばし、この9月には大まかな事業予算を決めて、施設の設計・デザインの業者を選定するというのですから驚きです!

昨年11月、市のHPに「五日市まちづくり協議会」が設立されたというお知らせが、市長の写真と共に大きく載りました。
てっきり市が事務局となって作られた組織だと思ったのですが、後から調べてみると、
市長が議員時代に深く関わっていた組織が事務局となり、市の職員はオブザーバー参加。
市が提案を受けるために設置した機関ではなく、外部の一団体に過ぎないことが分かりました。
そのため、市民委員の公募もなければ、会議の開催日程や議事録が市のHP等で公開されるわけでもありません。
この団体からの提案が市民の意見を代表するものとされてしまうことは、この団体と市長とのこれまでの結びつきを考えたときに、
公平性の観点から非常に問題です。この問題については既に、今年の3月議会の予算委員会で指摘させていただきました。
しかし、市長は、得意の「私とあなたとは考えが違う」との姿勢なのでしょう。
何の軌道修正もなかったようで、市有地の活用事業が急ピッチで進んでいることが、昨日の企画政策課長からの報告で明らかになりました。

昨日、私が疑問を呈した問題の要点を報告します。

●財政上のリスク

駅前市有地の活用が長年進まなかった理由の1つは、商店街との一体的活用を図るため、駅東側に位置する市有地(現在は駐車場として利用)を、
駅西側の商店街に近いバス会社の土地と交換できないか模索していたことにあったようです。
今回、その計画を断念し、商店街から離れた位置で事業化に踏み切りました。

また、活用が長年進まなかったもう一つの理由は、民間事業者が出資する、民間主導の活用を模索していたことにありました。
今回、それもあきらめて、市が主体となり、市の財源を使って整備をおこなうことになりました。

しかし、市は現在、資材や燃料費の高騰がいつまで続くか先行きが見通せない厳しい経済情勢の中、
学校給食センターという大きな事業を間近に控えています。また、区画整理事業においても、当初の計画よりも5億円以上、
市の負担が増える見込みです。

こうした中、商店街との一体的な活用が難しいと分かりながら、そもそも財政的に余裕のないあきる野市が、
今、急いでおこなうべき事業なのでしょうか。

全体の事業費がいくらになるのか。
維持管理経費がいくらになり、収益をどのぐらい見込んでいるのか……。
これから短期間に検討されるようですが、たいへん心配です。

●名ばかりの「合意形成」

資料の第1フェーズに「合意形成による市有地活用計画の策定」とあります。

しかし、中身を見てみると、了承を得るだけ、報告をするだけ、意見を受け付けるだけであり、
合意形成に必要な議論の場がどこにも見当たりません。
合意形成というのは、異なる立場の多様な意見を議論を通して互いに調整し、一致点を見つけることを意味します。
報告と意見募集でどうやって意見の調整を図るのでしょうか。
結局、意見は聴くものの、市が可能と考える範囲でしか意見は反映されないということです。

●真の市民参加を

計画の理念を読むと、市民が主体的に利用する空間を創り出そうとしていることが分ります。
その理念は素晴らしいと思います。しかし、そのためには、計画段階から多くの市民が主体的に参加することが大切です。
どのような施設であれば利用しやすいか、基調となるデザインはどうするか、野外の環境をどう活かすか、
わくわく、ドキドキしながら、イメージを具体化する作業を積み重ねることで、「自分たち」の施設になり、
完成後の主体的な利用に繋がっていくのだと思います。

資料には市民団体の提案として「五日市まちづくり協議会」の名前が載っているだけで、市民参画の機会は見当たりません。
昨日の説明で、別の市民団体の意見も取り入れていく予定との話がありました。
しかし、その団体は4月末に1回目の集まりを持ったばかりで、広く市民の意見を集めて提案できる段階では恐らくありません。
せっかく市民の主体的な関わりの芽がありながら、このスケジュールでは、その芽の成長を待つことはできないでしょう。

資料には第4フェーズとして、市制30周年と五日市線創業100年に合せた運営開始が示されています。
周年行事に合わせれば華々しいスタートを切ることができるかもしれませんが、それに間に合わせるために市民参画を蔑ろにすることは、
資料に掲げられた施設の理念に反します。
市長がどこに重きを置いているのかがよく分るという感想を、昨日敢えて申し上げさせていただきました。

なお、資料にあるように、市有地活用計画(案)が、7月7日の環境建設委員会で報告されることになっています。
私が所属する常任委員会です。

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