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2023.03.25
3月議会 討論 (1/6) - 国保税の引き上げに対する反対討論

辻よし子です。

昨日、3月議会が終わりました。
あきる野市議会としては珍しく夜遅くまでかかり、本会議終了後に開かれた広報広聴委員会を終えて市役所を出た時には、
夜9時を回っていました。

3月議会では、私が所属していない総務委員会に付託された議案が多く、意見を言う場がなかったこともあり、
最終日の昨日、6本の討論をしました。それぞれに、思いを込めて討論をしました。

①国保税の引き上げに対する反対討論
②個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例に対する反対討論
③2023年度一般会計予算に対する反対討論
④引田駅北口土地区画整理事業2023年度特別会計予算に対する反対討論
⑤インボイス制度の導入延期を求める陳情に対する賛成討論
⑥個人情報の保護に関する条例案に対する反対討論

順番に載せますので、関心のあるテーマだけでも、お読みいただけるとうれしいです。

①国保税の引き上げに対する反対討論
私の前に賛成討論をした自民党議員が、国保が相互扶助の制度でもある、ということを述べていたため、私の討論が対称的な形になりました。

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議席番号2番、会派くさしぎの辻よし子です。
議案第6号 あきる野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例に反対の立場から討論します。

 本条例改正は、被保険者数の減少により保険税収入が減収となる一方、医療費の増額などにより東京都に納める納付金の額が増加し、財源不足が見込まれるため、保険税を引き上げるものです。2022年度に続き、2年連続の引き上げになります。昨年の平均改定率は9.35%、本年の平均改定率は6.6%とされています。
 しかし、2年連続で保険税引き上げをしたとしても、今後の国民健康保険事業の安定的な財政運営が保障されるわけではありません。加入者の減少と医療費上昇は止まらず、東京都から示される納付金の金額はさらに増えることが予想されます。国民健康保険基金も2023年度当初予算においてすでに5千万円を切りました。一般会計からの繰入金は国庫負担の肩代わりであることを考えれば、むやみに増額すべきではなく、そして、保険税の更なる引き上げは、弱い者いじめに他なりません。いまや、国民健康保険制度は破綻の危機に瀕していると言っても過言ではないのではないでしょうか。

 国民健康保険法は戦前の1938年に策定されました。当時の法第1条には、「国民健康保険は、相扶共済の精神に則り疾病、負傷、分娩又は死亡に関し、保険給付を為すを目的とするものとす」とあり、相互扶助の理念で作られた制度であることが分ります。
 戦後、1958年に、国民健康保険法は全面改正され、新法の第1条では、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と謳われています。
 相互扶助としての国民健康保険制度から、社会保障としての国民健康保健制度へと大きく変わったということです。
 国民健康保険の加入者は、所得の低い世帯が多く、医療費のかかる高齢者の割合が高いという構造的特質を持っています。医療技術が高度化し、超高齢化社会を迎えた日本において、国民健康保険を社会保障制度として維持するためには、国庫負担を増やす他ありません。
 2018年度から始まった国保広域化では、区市町村における国保会計の中身が見えにくくなり、また、都道府県が国に代わって医療抑制策を管理・指導することになりました。広域化は公的医療費抑制策の一環として考えられたようですが、広域化によって国保財政の根本的な問題を解決できるはずはありません。

 国保の広域化に騙されることなく、社会保障制度を支える財政の第一義的な責任は国にあることを改めて訴えていく必要があります。
 一自治体としては、保険税を上げるしか他に手がないことは理解しますが、「引き上げも止む無し」と認めることは、国の怠慢を許すことになります。よって、本条例改正に賛成することはできません。
 以上、あきる野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の反対討論と致します。

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