辻よし子と歩む会
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2023.03.19
新市長になって初めての当初予算 / 予算が計上されていない五日市駅前市有地の活用?

辻よし子です。

先週、予算委員会が終わりました。今週末の議会最終日に向けた準備に追われ、報告が遅くなってしまいました。

●新市長になって初めての当初予算ですが、市長の掲げる目玉政策について、特に大きな額の新規事業は計上されてはいません。
施政方針に示された移住・定住促進施策についても、事業費としては約300万円。
市内案内や市内体験ツアーをおこなっていく予定とのことです。

ただし、移住・定住促進に特化した新しい課が設置され、課長を含む3人の職員が配置されることになりました。
人件費として考えれば大きな額とも言えます。移住・定住促進に反対するわけではありませんが、
多くの部署で業務量が増え職員が不足している中、移住・定住促進が、そこまでのマンパワーを割いておこなうべき
重要課題なのかどうかは、大に疑問です。

また、企業版ふるさと納税を進めるために商工課に職員が増員されます。
一般のふるさと納税と制度は異なりますが、自治体同士の税金の取り合いである点では全く同じです。

さらに、寄附する企業の税額控除がふるさと納税の仕組みを利用すると30%から90%に増えるという点も、本当におかしな制度だと思います。
その制度を活用するためにわざわざ職員を増やすことには、到底賛成できません。

●施政方針で今年度中に着手すると公言された五日市駅前市有地の活用については、どこにも関係する予算が計上されていません。
むしろ、そのことが問題なのではないかと考え、予算委員会で質問しました。

詳しいことはまだ伝わってきていませんが、五日市駅前を観光拠点として再開発する大きな事業になるのではないかと思います。
すでに、事業着手に向けた協議会が作られ、ワーキンググループまで立ち上がっているようです。

しかし、予算計上されていないことからも分るように、市が要綱に基づいて設置した協議会ではなく、
また、市が委員を委嘱している協議会でもありません。そのため、委員の選定がどのようにおこなわれたのか分りません。

観光や商工の部署の市職員はオブザーバー参加で、市と協議会の関係も曖昧です。
協議会には駅前開発に関係する主要な団体が入っているため、この協議会からの提案が、実質的に市の計画にならざるを得ないでしょう。

協議会が発足した際には、なぜか市のHPで大きく取り上げられ、協議会のHPを見ると、公立小中学校の名前やあきる野市のロゴマークも
並んでいるので、あきる野市が設置した組織だと勘違いする市民もいるのではないでしょうか。
しかし、「市の設置されている様々な協議会とは似て非なるものである」と委員会でも意見を述べました。

正式に市が設置した協議会でないという形式上の問題が重要なのではなく、公平に市民の意見を聴かなければならないという意識や、
少数者の意見に耳を傾けようとする姿勢が、市長に感じられないことが問題なのです。
前市長の強引な市政運営を批判し、「合意形成に努める」と最初の施政方針で宣言した市長なのですから。

●一般会計予算に計上された事業の中には、担当課の工夫や努力が伝わる事業が多くありました。

*生活困窮者の自立支援相談においてアウトリーチ型支援が強化されること。
*子どもの学習・生活支援事業の集合型の拠点や増やされ、委託業者の選定にも工夫が見られること。
*公園パトロールを直営化し利用者の声も聴きながら、市内全体の公園の指針づくりに繋げていくこと。
*街路樹のソメイヨシノについて、倒木の恐れがないか調査が進められ、今後の剪定や植え替えを計画的に進めようとしていること。
*スクールソーシャルワーカーや教員補助員の時間数を増やし、学校の内外を問わず支援の必要な子どもたちへの支援の拡充が図られること。
*合併処理浄化槽について本来必要な持ち主による清掃点検がなかなか普及しない中、個別訪問をして普及に努めていること。
等々。

●特別会計予算については、毎度のこととは言え、引田駅北口土地区画整理事業の予算に納得のいかない点が多々ありました。

総額10億円を超える包括工事契約については、前年度の出来高と新年度の工事の内訳について資料を提出することになっていたにもかかわらず、
工事区域を示しただけの簡単な図面に勝手に替えられてしまいました。
準備が間に合わなかったのか、何か不都合でもあるのか・・・。
「なぜ、図面にしたのか?」という質問に対して、その方が分かり易いと思ったという、あり得ない答弁が返ってきました。

今回示された事業全体の資金計画を見ると、総事業費が71億円から73億円に増え、34億円だった市の負担額が39億円に増額されています。
また、前市長の時に設置された専門家による見直し検討会議の中で、オオバへの委託料については、2700万円削減する計画になっていましたが、
今回の資金計画では減るどころか5400万円増額されていることが分りました。
「どんぶり勘定」と言われないためには、議会での質問に対し明確に答弁をすることが必要ですが、
今回の委員会では、基本的な質問にもまともに答えられない状態で、不信感が募るばかりでした。

一般会計には私と共産党の3名の議員が反対し、区画整理事業には私と共産党としょうじ議員の5名が反対し、
いずれも賛成多数で可決しました。
金曜日の最終日には、これらの予算を含め、6つの議案について討論をする予定です。

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