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2021.01.14
特養の新設の議論(福祉文教委員会)

辻よし子です。

本日、福祉文教委員会が開催され、第8期の介護保険事業計画素案の説明と意見聴取がありました。
私は所属議員ではないため傍聴のみ。いつも委員会室で傍聴しているのですが、今日は傍聴者が多かったため、控え室で音声だけを聴きました。

すでにお伝えしているとおり、策定委員会では、特養の新設を計画に盛り込むべきではないとの結論を出しましたが、
新設に強い意欲を示す市長が、自らの判断で策定案の文章を変更し、御堂中学校西側の市有地に100床の特養を公募によって誘致するという文章を素案に入れました。
本日の委員会では、この変更の是非を巡って、様々な質問や意見が出されました。
これまでの議会では、議員からの質問と市長の答弁が全く噛み合わず、罵り合いに近い、聞き苦しい言葉の応酬になる場面も少なくなかったのですが、
今日のやり取りは、これまでの中で一番まともなキャッチボールになっていたように感じました。
内容的にはほとんどが、すでに明らかになっている対立点でしたが、実際に市長の言葉を通して確認されたことに、大きな意味があったと思います。

今日の委員会で確認された主なポイントは・・・。

*特養の待機者
(特養新設不要の根拠)市の調査結果によれば、特養の実際の待機者は15人。その内、緊急を要する人は4人。既存の施設で十分対応でき、特養を新設する必要はない。
(市長)東京都全体で考えると特養の待機者は3万人に上る。第8期で誘致するのは、市民だけではなく都民全体を対象にした広域型の施設。そのことにより、都から2億5千万円の交付金が得られ、これまで30年間塩漬けになっていた市有地の有効活用にもつながる。

*空き床の増加
(特養新設不要の根拠)西多摩地域の特養の事業所では、共同のWEBサイトで積極的に区部からの入居者も募っている。しかし、区部から西多摩の施設へ入居する人数は減少傾向にある。今の状況で特養を新設すると、既存の施設に空き床が増える恐れがある。
(市長)特養といえども経営は自由競争であり、各事業所が入居者獲得にもっと努力すれば需要はあるはず。実際に、入居者の見込みがあることから特養誘致に手を上げる事業者は少なくない。

*介護人材不足
(特養新設不要の根拠)ただでさえ介護人材が不足している中で、特養を新設すると、人材の奪い合いになり、事業が立ち行かなくなる事業書が出る恐れもある。昨年度市内の事業所が施設の規模を拡大し、介護者を募集した際に既存の施設から人材が流れた事例がある。
(市長)介護人材不足は十分認識しており、そのために新年度から新卒などを含め介護人材獲得のための新たな事業を立ち上げる。それと合わせて外国人材を活用する事業者を支援する仕組みを作りたいと考えている。

控え室で傍聴していて、「もっとここを突っ込んで議論して欲しい」と思った点は・・・。

*特養だけではなく、居宅介護事業者への影響
特養の介護人材不足も深刻ですが、さらに深刻なのが居宅介護人材です。
施設を充実させても、居宅介護事業所がこれ以上減ってしまえば、市民が本当に望む介護サービスを提供することはできなくなります。
居宅介護についての市長の考えを質す必要があります。

*介護人材獲得の具体的な政策
市長は介護人材獲得に向け、新年度から新たな事業をおこなうと明言しています。
しかし、その事業の中身はどうなっているのでしょうか。果たしてだれだけ人材確保の実現性がある事業なのでしょうか。
介護人材獲得の具体的なプロセスと、目標値とを示す必要があります。
今日の議論で、委員の中から「人材確保の実績が上がってから特養を新設すべきである」との意見が出されました。
確かにその通りなのですが、しかし、市長は人材確保と並行して特養誘致を進めると言って譲りません。
さらに議論を一歩前に進めるためには、人材確保をいつまでにどのぐらい達成させるつもりか質す必要があります。

現在の予定では、第8期介護保険事業計画案のパブリックコメント(市民からの意見募集)が1月20日から2月2日まで実施されることになっています。
ぜひ、市民のみなさんの声をお寄せください。

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