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2020.06.09
GIGAスクール構想にコロナ交付金?
辻よし子です。
6月議会の初日が終わりました。
コロナ対策費を含む約6億円の補正予算が可決されました。私はギリギリまで迷った末、ひとり反対をしました。
コロナ対策を目的とする国の交付金2億5千万円のうち、1億円余りがコロナ対策と直接関係のない事業に使われるからです。
それは、GIGAスクール構想です。
全国の小中学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、子ども1人1台に端末機(PCやタブレット)与える事業です。
国が2019年度の「補正予算」で「唐突に」出してきた事業で、2023年度までに整備する方針が出されました。
あきる野市では、その方針を受けて今年度の当初予算に校内LAN整備の事業費2億3500万円を計上しました(国の1/2補助)。
そして、来年度から3年間掛けて端末機を買いそろえる予定でした(国の2/3補助)。
ところが、コロナ災害が発生する中、国は突然、GIGAスクール構想を今年度中に達成せよ、と言い出したのです。
補助金も来年度以降は出さないという強硬手段!
端末機で言えば1/3は自治体の自主財源ですから、勝手に4年も前倒しされてしまっては、たまったものではありません。
そこで、あきる野市では、自主財源で出すことになっていた1/3の部分に、コロナ対策の交付金1億円を充てることにしたというわけです。
世の中では、学校が長期のコロナ休校となり、にわかにオンライ教育への期待が高まっています。
しかし、GIGAスクール構想とオンライン教育はもともと別物です。
子ども一人1台に端末が渡ったとしても、各家庭の通信ネットワーク環境も異なりますし、
教師や子ども(特に小学生)がすぐに端末機を使いこなせるわけではありません。
そもそも全国の小中学校が端末を購入しようとすれば、少なくとも今年度の供給は追いつかないでしょう。
あきる野市に関して言えば、まだ調達の目処さえたっていない状況です
(国は都道府県でまとめて購入するよう勧めているが、東京都は未だ了解していない)。
秋から冬に掛けて予想されている第2波、第3波の感染拡大には、とても間に合いません。
実は文科省はそれを見越して、今年使えなかった予算は来年度に回せるように、最初から繰越明許として国会の決議を得ているのです。
一方で、コロナ対策の交付金は今年度中に使うことが条件になっています。
今年度中に購入が難しいとなれば財源を組み替えるしかありません。
そうなると、結局、端末購入費の1/3は自主財源を充てる他なく、コロナ対策費の1億円は、
うまく東京都の交付金と置き換えることができたとしても、実際に使えるのは来年度になってしまいます。
もとを質せば国の政策がおかしいのですが、しかし、コロナ対策にはなりそうもない事業に
1億円ものコロナ対策の交付金を充てる予算案に賛成するわけにはいきません。
その1億円は、コロナの影響を受けて様々な困りごとを抱えている市民のために、
医療・介護現場の支援に、感染予防を含めた検査の拡充に、使うべきなのではないでしょうか。
補正予算の中で、もうひとつおかしいと思ったのが、小中学校におけるオリンピック・パラリンピック教育
のための予算です(オリンピアなどを学校に招聘するための講師料)。
授業時間が足りなくなり、土曜日や夏休みまで一部返上して授業をせざるを得ない状況において、
なぜ、オリパラ教育なのか・・・・多くの人がそう感じるのではないでしょうか。
すでに予算が付いてしまっているならまだしも、今この時期にわざわざ補正で組むというのは、やっぱりおかしな話です。
一体、誰のための、何のための予算なのでしょうか?
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