辻よし子と歩む会
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2020.03.25
3月議会が終わりました

辻よし子です。

新型コロナウィルスの影響で2週間延期となった3月議会が、本日ようやく終わりました。
2週間延期したために、いつもよりも日程が詰まり、後半の予算審議は特にハードでした。

さて、今回は村木新市長になって初めての当初予算。
市長選で澤井前市長を推していた自公が多数を占める議会だけに、すんなりとはいきませんでした。

当初予算案には、地域循環バス(るのバス)の購入、児童館・学童へのエアコンの設置、
認証保育園の保護者への補助金アップ、音楽療法による介護予防事業など、
村木市長独自の予算がいくつか盛り込まれました。

その中で、自公議員が反対し、事業費の削除を求めて修正案を出したのが地域循環バス(るのバス)の購入費約2600万円です。

現在あきる野市では、公共交通のあり方について検討委員会で議論し、交通空白地域を対象に
既にタクシー券を使った実証実験が始まり、間もなくワゴン車を使った実証実験も始まろうとしています。
こうした各地域の細部を回る交通をフィーダー交通といいます。

それに対して、るのバスはメインの道路を広範囲に走る基幹交通です。
市では、フィーダー交通の検討をある程度進めた上で、るのバスの増便を含めた基幹交通のあり方を検討をする予定でした。

しかし、市民の中には、まずは、現在1台しかない、るのバスをとにかく増やして欲しいという根強い要望がありました。
村木市長は、その声を受ける形で、るのバスの増便を公約の一つに掲げて当選しました。
そこで、早速、新年度予算に購入費を盛り込んだというわけです。

しかし、公共交通検討委員会でほとんど審議せず、唐突に購入を決めたため、
「フィーダー交通の中身が決まらない内に買って、もし無駄になったらどうするのか」
「検討委員会で十分審議してから決めるべきだ」という批判が自公から上がり、修正案の提出となりました。

一昨日の予算審議において、修正案を巡って様々な意見が飛び交いました。
その中で次第に明らかになったことは、自公も、るのバスの購入に頭から反対しているわけではないということです。
公共交通検討委員会で購入の方向性が出されれば、補正予算で提案すればいいという趣旨の発言まで出されました。

そこで、私は、市長に次のような質問をしました。

「るのバス購入の必要性について改めて検討委員会に諮り、結論が出るまで予算を執行しないように出来ないか?」

「仮に、今年度中に結論がでなければ、購入をあきらめて減額補正をすることはできるか?」

この質問に対して、市長は驚くほど明確にどちらも受け入れるという答弁をしました。
そこで、私は自公に対して、今の答弁の内容を予算に付帯事項として明記することで、修正案を取り下げてもらえないか提案しました。

しかし、残念ながら自公が譲ることはありませんでした。
結局、賛成多数で修正案が通り、その後、るのバスの購入費を除いた予算が賛成多数で可決されました(私は、別の理由で予算に反対をしました)。

ところが、最終日の今日、なんと村木市長は、修正案に対して再議を出しました。

少しややこしい話なのですが、市長は、自分の提案した予算が修正されることになった場合、
議会に対して、もう一度審議し直すように求めることができるのです。それが再議です。
再議では、過半数ではなく、出席議員の3分の2の賛成がなければ、可決されません。
現在のあきる野市議会の議会構成では、自公で3分の2を占めていません。
従って、再議になれば修正案は否決されるということです。

修正案が否決されれば、るのバス購入費は復活するかという、そう話は簡単ではありません。
るのバス購入費が含まれる予算に、自公が賛成するとは思えないからです。
そうなると、当初予算が議会を通らない・・・という大へんな事態になります。

その後残された道は、暫定予算しかありません。

るのバス購入費どころか、児童館・学童へのエアコンの設置、認証保育園の保護者への補助金アップなど、
様々な新しい予算がすべて消えてしまうことになります。

先に書いた通り、るのバス購入費は、検討委員会にしっかりとした提案をして合意が得られれば、
補正予算で復活させることができます。
そうであれば、暫定予算というリスクを冒してまで、再議をする必要はないはずです。
もし、単なる意地の張り合いで、暫定予算になってしまえば、市民にとってこんな迷惑は話はありません。
なぜ、市長が再議に踏み切ったか・・・。私からすると愚かな選択としか思えませんでした。

再議の質疑では、そのことに触れる質問をした上で、再議に抗議する意味を込めて、退席をしました。
さらに、るのバスの購入を強く求めていた共産党の議員3人も同時に退席しました。
おそらく、私と同じように暫定予算にだけはしたくなかったのでしょう。

その結果、出席議員が16人に減ったことにより自公議員だけで3分の2を占め、修正案は再び可決されました。

私は、地方議会には与党も野党もないという考えから、是々非々の立場で臨んでいます。
澤井市長の予算だから、村木市長の予算だから、ということで反対、賛成が左右されることはありません。

ただ、今回、改めて予算に反対することの意味を考えさせられました。
予算の中に、いくつも「おかしい」「間違っている」と思う内容があるため反対をしていますが、
もし、私が反対することで予算が否決されることになったら、それでも反対するだろうか・・・ということです。

本来であれば、今回の自公のように修正案を出すのが筋なのかもしれません。
しかし、私は一人会派のため、自分だけで修正案を出すことはできません。
今のところ、私の反対は、問題提起のための反対。
もし、私の反対で予算が否決されるほど多数派になったら、そのときは修正が出せる立場になっているのかもしれません。


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