+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +
2019.09.14
2日間の決算特別委員会が終わりました
辻よし子です。
真正面から突っ込み、力が入り過ぎていたかな…と思いますが、決算審査の必要性を改めて感じた2日間でした。
主要なものを報告します。
●財務書類のミス
自治体の会計は、単年度、現金主義ですが、そこに企業会計で使われる発生主義の複式簿記が持ち込まれたのが、新公会計制度です。
最初はチンプンカンプンだったのですが、ようやく意味が分かるようになり、逆に問題点も見えるようになってきました。
そうした中、今回資料として配布された財務書類のバランスシートについて、前年度のバランスシートと比較したところ、不思議なことに気づきました。
2018年度の固定資産が数億円単位で増えているのです。
特に大きな建物を建設したわけでもないのにおかしいなぁ~??と思って担当課に尋ねたところ、なんと、2017年度の財務書類が間違っていたとのこと。
市営住宅を17億円で計上すべきところが、1桁間違えて1億7000万円で計上されていたのだそうです。
2018年度の財務書類では、そこを正しく修正したため2017年度と比べて、固定資産が増えてしまったというわけです。
行政の資産は、実際に売却して現金に換えるものではありませんし、現金主義の単年度会計に何か影響があるわけではありません。
しかし、固定資産の額がこれほど大きく違っていたということは、やはり大きな問題です。
また、2018年度の財務書類を作成する段階で誤りに気付きながら、議会に何の報告もなく、
新たに修正した資料が黙って配布されたということも大きな問題です。
これは、やはり議会で取り上げなければならないと考え、昨日の委員会で、この問題をについて質問をしました。
私としては、答弁の中で事実関係をはっきりさせ、議会に報告しなかったことに対して反省していただき、
市民への説明責任を果たすことを約束してもらって、終わらせるつもりでいました。
ところが、初めて知った議員からは驚きの声が上がり、「このまま決算審議を続けるわけにはいかない!」との意見が出され、暫時休憩に…。
予想外の展開になってしまいました。
そのまま会派代表者会議が開かれ、結局、最終日までに、ミスが起きた経緯、危機管理体制のあり方、今後の対応などについて、
施行部に報告を出させることになりました。
●土地区画整理事業の、あまりに高額な委託料
引田駅北口土地区画整理事業は、株式会社オオバに10年間、総額12億2000万円で委託する協定を結んでいます。
ところが、委託業務の中身を細かく見てみると、驚くような高額の業務が含まれていることが分かりました。
この問題は、すでに何回か取り上げているのですが、数日前、ようやく委託料の積算内訳の資料が開示請求によって入手できたため、
その資料に基づいて質問をしました。
たとえば、土地区画整理審議会運営支援業務。
これは、1時間程度の会議に出席し、市の職員が答えられないような専門的な質問が出されたときに補助する仕事です。
会議録を見ると、オオバの職員が発言しているのは、1回の会議で1,2度です。
この業務に4万6千円~5万8千円もの単価になる技術者を2.5人配置しています。
また、審議会の資料を作成するために、3万5千円~4万3千円の技術者を4人配置。
資料といっても、パワーポイントで作られた簡単なものです。
この他、2018年度の業務委託の契約書に記載ミスがあったり、同じ業務内容なのに前年度よりも単価が上がっていたり、ずさんとしか言いようがありません。
こうした問題点を指摘しながら質問をしたのですが、担当課長は気の毒なほど無理のある答弁に終始しました。
結局、副市長が答弁に立ち、様々な疑義が出されていることを踏まえ、株式会社オオバのしかる役職の人と直接会って話をすると、約束をしました。
議会で問題点を指摘しても、これまで、その場だけで終わってしまっていたのですが、ようやく市側にも問題として受け止めてもらえたようです。
最後に、
「これだけ問題の明らかになった区画整理事業の決算を、議会として認定してしまって良いのでしょうか? 区画整理事業に賛成している議員にもしっかり考えて判断して欲しい」
と訴えましたが、全くの、暖簾に腕押しで終わってしまいました。
●落札率の高止まり
3年間、決算委員会の度に入札状況を調べてグラフ化して来ました。
その結果、入札する業者が1者しかないと、落札率は100%近い率になることが分かりました。
また、全体に落札率が高止まりしています。国が発注する工事では予定価格が事前に公表にされることはありませんが、
地方自治体については事前公表を禁止する法律がなく、あきる野市のように事前公表している自治体が少なくありません。
非公表にすると、業者が担当職員に探りを入れ、贈収賄につながる危険性がある等の理由から、事前に公表しているようです。
しかし、事前公表にすると落札率が高止まりになる他、談合が起きやすい、業者の見積もり努力が失われるなどの弊害があり、
最近では、事前公表を止めて事後公表に変える自治体がじりじりと増えて来ています。
そして、最新データでは、ついに事後公表が事前公表を上回りました。
このことを資料で提示して、あきる野市でも予定価格の公表時期について検討して欲しいと要望しました。
●予算を使い切れなかったスクールサポートスタッフ
教員の負担軽減を図るために、事務作業を補助するスクールサポートスタッフという非常勤が、昨年度から導入されました。
本来であれば、正規職員をもっと増やすべきで、ずいぶん場当たり的な中途半端な制度だと思います。
しかし、先日の一般質問に対する教育指導部長の答弁では、「子どもたちと触れ合う時間が増えた」、「教材の準備ができるようになった」
などの声が現場の先生から上がっているとの説明がありました。
ところが、実際には、スクールサポートスタッフの予算は、4割程度しか使われていないことが分かりました。
予算の執行率が低かった事業については、その理由を説明した資料が事前に配布されるのですが、
スクールサポートスタッフ事業については、スクールサポートスタッフの執行率が低かったことが表に出て来ない書き方になっていて、
教育委員会の不誠実さを感じました。
この問題について質問した際、教育指導担当課長が木で鼻をくくったような答弁をしたため、
思わず強い口調で、もっと誠実に答弁するよう求めてしまいました。
他にもいろいろあるのですが、これで終わりにします。
決算審議は、傍聴者も少なくあまり注目されていませんが、ある意味、予算審議よりも重要かもしれない……と感じた2日間でした。
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