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2019.03.19
アスベスト被害者補償基金制度創設 賛成討論原稿

(以下、討論原稿を掲載します。)

議席番号2番。会派くさしぎの辻よし子です。
陳情31-3 アスベスト被害者補償基金制度の創設と全面解決を国に働きかける意見書提出を求める陳情に、賛成の立場から討論します。

本陳情が審議された福祉文教委員会において、反対した委員が述べた不採択の理由は、大きく次の2点でした。
1つは、現在ある国の救済制度で十分であり、新たな制度は必要ないこと。
もう1つは、裁判で係争中のため、司法の判断を待つべきであること。
この不採択の理由が、本当に妥当であるのかどうか、陳情を付託された委員会において、何の審議もされなかったことは、非常に残念です。
陳情に賛成する委員と反対する委員との間で自由討議がおこなうことは、それぞれの意見の根拠を検証することにもつながります。

反対理由にあった「現在ある国の救済制度で十分である」という点ですが、
本陳情で求めているのは、「救済」ではなく「補償」です。
救済とは、困った人を救い助けることですが、アスベスト被害者は、本来、国や企業が果たすべき責任を怠ったために、
病気にさせられた被害者です。昨年秋の段階で、地裁、高裁を含む10の裁判所で、すでに国の責任を認める判決が下されています。
アスベスト被害者からすれば、国は助けてもらう相手ではなく、謝罪を受け、その責任としての補償をしてもらうべき相手なのです。
救済という名目で施される支援と、補償として受ける権利とでは、精神面においても、給付水準や給付対象などの内容面おいても、
たいへん大きな違いがあります。
こうした被害者の心情を考えたとき、果たして、「現在ある国の救済制度で十分である」と言い切ることができるでしょうか。

昨年12月に全国一斉アスベスト被害ホットラインを開設した「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によれば、
アスベストに特有な悪性のがんである「中皮腫」による死亡者数は、毎年、徐々に増えているにもかかわらず、
アスベスト疾患の労災認定や救済認定件数は頭打ちとなっており、現在の救済制度に問題があることが指摘されています。
また、2016年までに中皮腫で亡くなった患者のうち、公的制度で救済された割合は、57%、石綿肺がんでは、わずか10%とのデータもあります。
現在の救済制度では、決して十分ではないということです。

次に、不採択の理由として、「裁判で係争中であること」を挙げた点についてです。
本陳情では、裁判によらずに補償を受けられるようにして欲しいということを強く求めています。
これまでの裁判において、すでに国の責任が明らかにされ、国に補償を命じる判決がいくつも出ています。
しかし、全ての被害者が裁判に訴えられるわけではなく、また、裁判には多大な労力と時間が必要です。
だからこそ、裁判によってではなく、制度としての補償を求めているのです。
陳情書には、「裁判が下る前に志半ばで亡くなる被害者も少なくなく、
『命あるうちに解決を』
『裁判によらずに賠償を』
という被害者や遺族の願いは切実です」と書かれています。
それにもかかわらず、「裁判で係争中のため、司法の判断を待つべき」という理由で、不採択にすることは、
陳情者の声に耳を塞ぎ、門前払いするに等しいのではないでしょうか。
また、行政機関および立法機関は、裁判所から独立した権限を持つということが、三権分立の考え方です。
私たち地方議会は、司法からは独立した国の行政機関および立法機関に対し、意見書として、市民の声を届ける役割を担っています。
司法の判断を待つべきという理由で意見書の提出を控えることは、三権分立の理念に矛盾し、
市議会の責任を放棄することにもつながるのではないでしょうか。

本陳情では、補償基金制度の創設と共に、専門医の充実などアスベスト疾患に対応できる医療体制の整備も求めています。
アスベストを原因とする疾患の潜伏期間は長く、専門家の分析では、これから発症者のピークを迎えると言われています。
現在アスベスト被害に苦しんでいる当事者の声に真摯に耳を傾け、対策を進めることは、現在、
潜伏期間にあってまだ発症していない将来の患者に対し、その苦しみを多少なりとも和らげることにつながるはずです。

本陳情の貴重な問題提起を受け止め、あきる野市議会から国に、アスベスト被害者補償基金制度の創設と全面解決を
国に働きかける意見書を提出すべきと考え、本陳情に賛成します。

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