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+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +

2018.09.21
決算審査特別委員会での主な質問4点

辻よし子です。

昨日、決算審査特別委員会が終わりました。
昨年度のあきる野市のお金の使い方をチェックする場です。
本会議と異なり各課の課長が答弁するので、議員も含めると出席者は100人近くなります。

1年間の様々な事業について質問するので、答弁する課長さんはたいへんだろうな、と思います。
特に今年4月に着任したばかりの課長さんは、前任者の仕事について聞かれるわけですから、なおさらです。
それに比べれば質問する側の議員は楽なハズなのですが、チェックする側も真剣勝負。
傍から見たら笑われるほど、毎回、緊張します。食欲は落ちるし、頻繁にトイレに行くし(^^;……。
「なんて体って正直なんだろう」と、変にに感心したりして……。

さて、前置きが長くなりましたが、私が質問した約30項目のうち、主ないくつかを報告します。

①保育園、幼稚園の保護者負担軽減について

子どもを認可保育園に預けるか、認証保育園に預けるかで、世帯によっては保育料に大きな差が生じます。
あきる野市はその差額の2分1しか補助していないため(近隣自治体は全額補助)、
認可保育園に比べ年10万円以上高い保育料を払っている保護者が、平成29年度は13人(子どもの人数で)いることが分かりました。
しかも、今の方式では低所得者ほど差額が大きくなります。

一方、幼稚園についてですが、あきる野市は平成29年度、日の出町にある大久野幼児園を新たに「幼稚園類似施設」として認めました。
このことにより、延べ147人の子どもが月3400円の補助金を受けられるようになりました。
平成30年度には、檜原村にある「やまっこかわっこ」という施設も加わりました。
保護者からの要望に応えて、市の職員が誠実に対応した結果だと感謝しています。
しかし、「幼稚園類似施設」は幼稚園と認められていないため、国の就園奨励費や都の補助金はもらえず、
月3400円の補助金が出るにせよ、一般の幼稚園と比べて年額最高38万円近い差が出ます。特に差が開くのは低所得者層です。

どこの園に子どもを通わせるかで、行政からの支援にこのような差が開いていいのでしょうか。
国や都の幼稚園に対する考え方がそもそも間違っているのだと思いますが、現状が変わらない以上、
国や都の補助からもれてしまう人を支援するのが、基礎自治体の役割ではないかと、意見を述べました。

②学力ジャンプアップ事業

この事業は、小中学校に教員補助員を配置する事業で、国や都の支出金はなく、市が独自の事業です。
「学力ジャンプアップ」という名称は気になりますが、子どもたちへのきめ細かな支援と教員の負担軽減につながれば、意義のある事業だと思います。
ただ、どうも運用の仕方に疑問があり、質問をしました。

1つは、小中学校16校への配置時数が、学校規模に応じて公平になっていないことです。
実は、この事業のきっかけになった東京都の事業があり、昨年度までその事業のモデル校になっていた学校に、
なぜか今年度も多くの時数が割り当てられています。
モデル校事業は終わったわけですし、新しく始めた事業なのですから、学校規模に応じて公平に配置すべきではなかったのかと意見を言いました。

また、教員補助員は、学習につまずいている子どもへの指導や夏休み中の補充学習の補助などが役割りになっています。
また、特別支援を必要とするお子さんの難しい対応を迫られることもあり、教員に近い指導や判断を求められることが少なくないようです。
しかし、応募要件としては、教員免許や経験がなくても良いことになっています。賃金もそれなりの賃金(平成29年は時給960円)しか支払われていません。
補助員は、指示された教室に入って指導し、終わるとそのまま帰ります。
担任教師との事前の打ち合わせの時間も、問題を抱えた子どもへの指導についての相談や気付いたことを報告する時間も、
勤務時間の中には入っていません。もちろん研修もありません。
採用にあたって必ずしも資格や経験を求める必要はないと思いますが、その分、採用した補助員への丁寧な指導・支援をおこなう
必要があるのではないでしょうか。また、担任教師と補助員との間で、子どもの指導について連絡調整を図る時間を勤務時間内で
取るべきではないかと述べました。
これに対して、「そうなると、その分、子どもの指導に当たる時間が減りますから」という答弁をされたのには、驚きました。

教育委員会については、この他、2つの問題を指摘しました。

1つは、総合的学習で利用したチャーターバスについて、予算が間違っていたために各学校でバス時間が足りなくなってしまい、現場に迷惑をかけた件です。
ある学校の教師から「前年度と同じ計画を教育委員会に提出していたはずなのに、なぜ、急に、時間を短く変更するように言われたのか分からない。
せっかく中身の濃い学習計画を立てていたのに、理由が説明されないのでは、納得いかない」という相談を受け、この問題に気づきました。
教育委員会のミスであったにもかかわらず、きちんと原因を確かめずあいまいにしたまま、学校に対処だけを求めたことは、非常に問題です。
教師から相談を受けた後、私がしつこく教育委員会に説明や資料を求めた中で、ようやく教育委員会の予算にミスがあったことが明確になりました。
教育委員会と現場とが対等な立場であれば、このようなことは起きなかったのではないでしょうか。
その後、教育委員会が校長会で謝罪するなど、一応終わった問題ではありましたが、他の議員は誰も知らないことでもあり、改めて報告を求めました。

もう一つは、スクール・ソーシャル・ワーカーの予算についてです。
平成29年度当初から予算額の1.5倍以上の勤務日数を執行していながら、12月議会まで補正予算を組まなかったために、
途中、流用(他の事業からお金を回すこと)までしていたことが、決算の段階になって分かりました。
バスの件といい、教育委員会の会計管理は大丈夫なのでしょうか。

③入札

競争入札については、過去2回の決算委員会でも取り上げました。これまでは、主に工事入札について質問しましたが、
今回は工事以外の入札について質問しました。
工事と工事以外では、大きな違いがあります。
一つは、工事については、予定価格が公表されますが、それ以外は非公表であること、もう一つは、工事の見積もりは目安となる積算基準がありますが、
工事以外は積算基準がないことです(後に報告する区画整理事業にも大きく影響しています)。

今回は、写真にあるような資料を作成して配布しました。詳しく書くと長くなってしまうので、質問のポイントだけを報告します。

(資料1) (資料2)

資料をご覧になると分かる通り、競争入札と言いながら、毎年同じ業者だけから見積もりを取り、
その見積額通りに、同じ業者が100%で落札している事業がいくつもありました。この資料を作成するにあたって、
それぞれの担当部署にヒアリングをおこないました。
仕事を頼んだことのない業者から見積もりを取るのが難しいことや、同じ業者に頼んだ方が仕事に精通しているので見積額が低くなることなど、
それなりの理由がある場合もあります。しかし、常連の業者が前年度の実績よりも高い見積もりを出していたり、
仕事を取るために無理をして見積もりを下げている様子がうかがえたり、いろいろ問題があることも分かりました。

そもそも市民目線で見れば、競争入札といいながら100%落札の件数が一番多い(2つ目の横長のグラフ)というのは、おかしな話です。
入札制度そのものを見直す必要があるのかもしれません。
ただ、すぐに大改革ができるわけではありませんので、まずは、見積もりを複数者から取って、
適正な価格になっているのかどうか慎重に予定価格を決めるよう努めて欲しいと要望しました。

④引田駅北口区画整理事業

区画整理事業を巡っては、最近になって、また新たな問題が生じていることが分かりました。
決算審議の対象ではないので質問することはできませんでしたが、他の議員が触れたこともあり、冒頭に意見だけを述べました。
「本当におかしい!」と感じているので、つい力が入り、スタートからヒートアップしてしまいました。この件については、後日、報告します。

今回は、企業オオバへの委託料について質問をしました。
引田の区画整理事業は10年間の事業を一括して企業オオバに12億2千万円で委託しています。
平成29年度の業務内容と委託料を細かく調べてみると、高額な費用が支払われていることが分かりました。

たとえば、区画整理審議会の運営事務というものがあります。
審議委員は10人で構成され、平成29年度の審議時間は、短いときは30分、平均しても1時間足らずです。
この審議会運営の人件費が1回に付き16万9千円。人件費以外の経費(中身は不明)を含めると約42万円。
また審議会の資料を作成する人件費が1回に付き17万7千円。その他の経費を含めると44万円。
資料と言っても事業のスケジュールや区画整理事業の基礎的知識をパワーポイントで10ページ前後にまとめたものです。
つまり、1時間足らずの審議会を開くのに、86万円ものお金をオオバに支払っているわけです。

また、企業に土地を売りたい、貸したいと考えている地権者だけを対象に、4回の説明会(同じ内容を2回ずつ)が開かれました。
その人件費が1回に付き17万円。その他の経費を含めると30万円です。
この説明会は、結局、一部の地権者が資産運用を進めるにあたって、そのノウハウを教えるためのものです。
その説明会1回に30万円がオオバに支払われたということです。

また、A4判1枚から2枚のニュースレターを500部作るのに約30万円。
ニュースレターの内容に、付加価値の高いデータが入っているわけでもありませんし、デザイン性があるものでもありません。
ニュースレターのたたき台を作るのはオオバですが、内容を決めるのは市の職員です。

他にもいろいろあり、まるで湯水のようにお金が使われていることに、驚きました。

引田の区画整理事業は、企業誘致が最優先され、そのためには多少の犠牲は仕方がないと言わんばかりの進め方がされています。
そのことが、平成29年度に作成された申出換地要領に現れています。ややこしい内容なので詳しくは書きませんが、
企業誘致に協力しない地権者が切り捨てられる仕組みが、要領の中に盛り込まれています。
この点についても質問しましたが、私からすると誤った解釈の答弁しかありませんでした。
結局、企業による企業のための事業になり、その陰で犠牲となる地権者がいることを強く述べました。

9月議会も残すところ26日の最終日のみになりました。
最終日には、一般会計決算と区画整理事業特別会計について、反対討論をする予定です。


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