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2018.09.07
議長からも「議会軽視という思いは同感」

辻よし子です。

昨日で一般質問が終わり、今日は議案審議がありました。
特に問題があったのは、補正予算です。
質問したいことや言いたいことがたくさんあって、一般質問のときよりも緊張したかもしれません。

中でも「許せない!」と思ったのが、土地区画整理事業の補正予算です。
この事業自体に反対していていますが、今回問題として取り上げたのは、区画整理に反対、賛成に関係なく、
議会軽視と言わざるを得ない執行部の姿勢でした。

引田駅の区画整理事業には、国から総額で16億円の交付金が予定されています。
そのうちの6600万円が今年度の交付額として当初予算に計上されていました。
それが、今回の補正予算で490万円に減額されることになりました。
国の交付金と連動して都からも補助金が出るので、国と都の支出金を合計すると、当初予算と補正予算の差額は、8500万円。
この差額は、市の一般財源から繰り出されることになります。大きな額です。
トータルとしての16億円は変わらず、減額した分は後年度の交付金に回されるという話ですが、今年の市の予算に与える影響は無視できません。

私がまず問題にしたのは、議会に諮られた時期です。
いろいろ調べたところ、なんと驚くことに、東京都のHPには、すでに今年3月28日の日付で減額後の490万円が
あきる野市の申請額として公表されていたことを知りました。
今日審議された内容が、すでに昨年度末には決定し、HPで公表されていたわけです。

「一体いつ申請額の減額を決めたのか?」と質問したところ、「今年2月」との答弁。

「今年度の当初予算には間に合わなかったのか?」 → 「間に合わなかった」

「なぜ、せめて6月議会に提案しなかったのか?」 → 「交付額が決定してからの方がいいと考えた」

「申請額自体が10分の1以上減っているのだから、申請額と交付額の誤差は数十万程度にしかならない。
数十万の額がはっきりするまで、8500万円の減額を議会に諮らない、というのは、どう考えてもおかしい。議会軽視ではないか!」
と、理事者の見解を求めましたが、副市長からも納得のいく答弁は得られませんでした。

そもそもなぜ交付申請額を減額したのか、その理由もよく分かりません。
「この先予定されている工事費に交付金を充てる方が、積算根拠を示しやすい」というのがその理由のようですが、
昨年度はすでに今年度と同じような工事費ではない委託費に交付金を充てています。
当初予算の編成に間に合わない頃になって、大幅に減額しなければならない必要性がどこにあったのでしょうか。

引田駅の区画整理事業は、民間包括委託方式といって10年契約で事業を進めるため、
途中で委託内容が変わった場合には、見積もり合わせをおこなわず、1社見積もりになります。
こうした点も積算根拠を示しにくいこととつながっているのかどうか……。
議会に提案される時期が遅れたことも合わせて、明確な説明ができない何か事情でもあるのでしょうか。
変更理由に納得の出来ない補正予算に賛成するわけにはいきません。
私が納得できないと発言したことに対して、区画整理事業に賛成する自民党の議員から、
一人が納得できないからといつまでも質問していいのか…云々と言ったやじが聞こえました。
しかし、これは、区画整理に賛成・反対関係なく、議会の役割をどう考えるかという問題です。

この他、ふるさと納税に関する補正予算、学校教育に関する補正予算について質問しました。

学校教育については、教師の負担軽減を図るために、働き方改革と称して、
小学校における休み時間や給食時間を先生の「業務」から外すような方向性が文科省から出されています。
これを読んだときには驚きました。今回の補正予算に学校における働き方改革推進事業費が含まれているため、
あきる野市教育委員会の考えを尋ねました。
答弁では、業務改善は職員室等での事務処理を中心に考えていることや、
負担軽減のために研究授業の発表方式を工夫していることなどが話され、少しほっとしました。

ふるさと納税の補正予算については、補正が必要になった背景を私が少し勘違いしていたことが、質疑と答弁の中で分かりました。
しかし、根本的な問題に変わりはありません。
ふるさと納税における「寄付」とは、まったく名ばかりで、最高7000円得するお得なお買い物です。
その客の奪い合いを自治体間でおこない、客が取れない自治体は、数千万、数億円の単位で税収入が減ってしまうという、とんでもない制度なのです。
「こんな競争は馬鹿げている」と参加しなければ、それで済むというわけではありません。
その自治体の住民が「寄付」を止めない限り、税収入は減る一方です。
本来の行政職員の仕事は言えない業務に翻弄される職員が気の毒でなりません。
補正予算の中では、その思いを伝えたかったのですが、逆に職員を責めているように受け取られてしまったのではないか…と、
質問の組み立てのまずさを反省しています。

審議が終わった後に、賛否では意見の分かれた議員さん2人に声を掛けられました。

「文科省の通知のことは、知らなかった。休み時間や給食時間の話には驚いた」と公明党の議員さん。
これまでも公明党の議員さんとは、途中までは意見が一致することもあり、ならば結論も一緒でしょ…と思うと、
なぜか答えは真逆、ということが何回かありました。
ただ、結論は違っても、今回のように真面目に私の意見に耳を傾けてもらえることがうれしいです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、残念ながらまともに議論をしないのが、今の議会ですから。

そして、議長からも「議会軽視という思いは同感」と言ってもらいました。
自民党会派の中で、一番議会改革に熱心な方です。
行政内部では2月に減額を決めていたのに、3月議会では平然と減額前の予算で受け答えしていたこと、
さらに9月議会まで黙っていたことに、私と同じような強い違和感を持たれたようです。

二元代表制の地方議会では、本来、与党・野党という区分はありません。
保守系であろうが革新系であろうが、市民目線で行政をチェックするのが議会の役割です。
その観点からすれば、今回の区画整理事業の補正予算はやはり大いに問題あり! だったことが、議長の話からも確認できた気がしました。


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