辻よし子と歩む会
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2018.04.04
福島へ行ってきました

辻よし子です。

4月2日、3日の2日間、福島へ「復興」の現状を見に行ってきました。
現地の案内役は、放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会のWさんです。
参加したのは、私が所属するNPO法人ちくりん舎をはじめとするいくつかの市民グループ、15名です。

現地の状況は、これまで講演会などを通じてある程度は知っていましたが、
あまりにも酷い現実に衝撃を受けて帰ってきました。

今、福島で進められている「復興」は、ショックドクトリン(惨状便乗型資本主義)そのものです。
私が原発事故で受けた衝撃は、事故そのものの被害だけではなく、原発を推し進めてきた原子力ムラと
それを許してきた日本社会のあり方でした。
その問題を問い直すことが私にとっての「原発事故」であったはずなのに、
今の「復興」は、形を変えた原発の延長そのものです。
私の中にある「原発事故」が、まったく違うものに塗り替えられている、
という恐ろしさをひしひしと感じて帰ってきました。

●環境創造センター(田村郡三春町)、楢葉遠隔技術開発センター(楢葉町)



2つとも原子力の研究と広報の役目を果たしている施設です。
まず、その規模の大きさと贅沢な造りに違和感を覚えました。
他にも同類の施設が福島県内に新設され、数百憶円の莫大な復興予算が使われています。

環境創造センター・交流棟(コミュタン福島)は、模型や映像に加え、3Dを使ったバーチャル体験ができる空間など、
最新の技術を取り入れて、実に見事に、復興へ進む福島の素晴らしさを「感動的」に伝える空間です。
学校の社会科見学等でたくさんの子どもたちが訪れるとのこと……。

「原子力明るい未来のエネルギー」という標語を作った冨岡町の元小学生が忸怩たる思いで当時のことを語っていたことを思い出しました。
この館には、福島県の健康調査で既に200人近い小児甲状腺ガンが見つかっている事実などは、一切表示されていません。

環境創造センターの研究棟には、国立環境研究所、日本原子力研究開発機構(JAEA)福島県の3つの組織が入っていて、
各職員の案内で研究棟を見学し、最後には質疑応答の時間も設けられました。
印象的だったのは、放射能ゴミを燃やした後に出る固形物(スラグ)の話でした。
この研究に携わっている国立環境研究所の職員から、スラグの再利用についてはクリアランスレベルである100㏃以下であるべきだが、
どう運用するかという政策判断は自分たちの守備範囲外である、というニュアンスの発言がありました。

立場上分からなくはありませんが、自分たちの研究成果が社会に当たる影響について、科学者が傍観者で良いはずはありません。
ちくりん舎で進めている大気中の汚染調査(リネン吸着法)について、ちくりん舎のAさんが説明したところ、
「ぜひ、情報交換をしたい」と関心を示したことは、せめてもの救いでした。

●楢葉町仮設焼却炉、冨岡町仮設焼却炉、特定廃棄物埋め立て処分場(冨岡町、搬入路入口は楢葉町)



フレコンバックに詰められたあの大量の除染土。
それを焼却して容積を減らし、その結果生じる超高濃度の灰を土の中に埋めるという事業が、急ピッチで進められています。

除染土や除染ゴミを燃やすための焼却炉は、その役割が終わってしまえば必要なくなるので、仮設という形で建てられて、終わると解体されます。
すでに解体された焼却炉もあります(鮫川村、相馬市、川内村など)。
各仮設焼却炉の建設から解体までをゼネコンが請負、その費用は、数十億から数百億。
ここにも莫大な復興予算が使われています。
冨岡の仮設焼却施設に、「がんばろう冨岡町!」という標語と並んで、「鹿島」「三菱重工」「環境省」の文字が大きく書かれていたのが象徴的でした。

冨岡町で建設が進められている特定廃棄物埋め立て処分場を楢葉町側から見学しました。
ここには、8000ベクレル/㎏以上10万ベクレル/㎏以下の焼却灰が埋め立てられことになっています。
建設現場近くには、反対する住民の怒りの声が綴られた看板が立っていました(写真参照)。
原発事故によって放出された放射能の一部が除染と言う形で集められ、その濃縮物が帰還を進めている被災地に埋め立てられるということです。



●田村市大越町に建設されようとしている木質バイオマス発電所

この建設に反対している地元の方々の案内で予定地を見学しました。
地元の方々の一番の心配は、放射能で汚染された大量の原木が燃料として使われる予定になっていることです。

また、発電所建設予定は住友大阪セメント工場跡地で、環境基準を超える有害物質が見つかり、その汚染土壌は近くの谷に積み上げられたままです。
周囲には多くの住民が暮らしているにもかかわらず、説明会は半径250m以内の地権者だけが対象で、
その他の住民にとってはまさに寝耳に水の話だったようです。

それまで市民運動の経験のない人たちが「大越町の環境を守る会」を立ち上げ、署名活動、市議会への陳情、街宣カーでの情報発信、
幟や立看でのアピール等々、必死に闘いを続けています。



現地を見学した後、守る会の代表のご自宅に10名以上でお邪魔をし、情報交換をおこないました。

田村市議会では、現在、建設に慎重な議員の数が賛成する議員の数をわずかに上回っています。
しかし、今月22日には市議会議員選挙があり、市長による多数派工作で逆転が図られるのではないかと危惧されます。

大越町のバイオマス発電所誘致にも復興予算が使われているとのこと。
「原発事故による『復興』がなければ、大越町にバイオマス発電所問題が起きることもなかったでしょう」と案内役のWさんが語ったことが印象的でした。



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