+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +
2017.11.28
12月議会: 期末手当の引き上げ / 保育士等の処遇改善 / スクールソーシャルワーカー
辻よし子です。
12月議会が始まりました。
今日の審議で、議員の期末手当の引き上げが決まりました。3年連続の引き上げです。
私と、会派未来5人(民進2、無所属3)、共産党3人が反対しましたが、自民党、公明党の議員が全員(11人)賛成したため可決されてしまいました。
「おかしい!」という思いを込めて、反対討論をしました(他の議員から質問も討論もありませんでした)。
長文になりますが、読んでいただけるとうれしいです。
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議案第75号 あきる野市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から討論します。
議員の期末手当の引き上げは、私が議員になって間もなく開かれた平成27年12月議会から、今回で3年連続の引き上げになります。
私は過去2回とも反対をしており、その理由に変わりありませんが、問題提起も含めて改めて意見を述べます。
反対する理由は、主に次の2点です。
ひとつは、そもそも、議員の期末手当のあり方自体に疑問があり、その問題が解決されない限り、値上げには賛成できないということです。
その疑問とは、市議会議員の期末手当に、20%の役職加算がされていることです。
ご存じの通り、この役職加算は、合併前の旧秋川市、旧五日市町でそれぞれに平成2年度から適用された制度で、
合併後もそれを引き継いで現在に至っています。
バブル期であった当時においては、官民格差を是正する意図があったのかもしれません。
しかし、経済の右肩上がりの時代は過ぎました。民間ではボーナスや給与のカットも珍しくない昨今、
今なお、20年以上前の制度を見直すことなく、その制度に甘んじていることは問題です。
また、本来であれば、議員報酬について審議している特別職報酬等審議会において、20%加算の問題を含め、
期末手当の額の妥当性について、審議されるべきではないでしょうか。
しかし、現在のところ、期末手当については審議の対象になっていません。
こうした中、期末手当のさらなる増額を認めることはできません。
次に2つ目の反対理由です。日本では現在、格差社会が広がり、子どもの貧困や非正規雇用の劣悪な労働環境など、
格差が生み出す問題が深刻化しています。それに対して、政治が有効な解決の道筋を示せずいる中、政治家である議員が、
私からすれば、すでに十分過ぎる報酬を得ているにもかかわらず、さらに自ら手当の増額を求めるということには、どうしても同意できません。
日本のように経済成長を遂げた社会における貧困問題は、なかなか表には見えにくく、
また同時に、見えにくいされている面があるのかもしれません。
しかし、問題を抱え苦しんでいる人たち、あるいは、そこに寄り添っている人たちは、今、
「政治家は一体どこを見ているのだろう」という怒りや失望感を抱えていることでしょう。
本条例の改正によって、議員の期末手当を0.1か月分引き上げために必要な経費は、103万4256円になります。
これは、平成29年度の当初予算における一般財源で額でみれば、生活困窮者自立支援事業費146万円の3分の2、
スクールソーシャルワーカー活用事業費25万円の4倍、あるいは、地域子ども育成リーダー事業費、
乳幼児ショートスティ事業費に匹敵する額です。
もちろん、期末手当の増額を止めることが、そのままこうした事業費の増額につながるわけではありませんが、
しかし、要は、限りある財源を、どのように配分するかということです。
このことは、まさに今の日本社会で問われている、富の分配のあり方に、つながる問題なのではないでしょうか。
強い者がより強くなる必要はありません。
以上の理由から、議員の期末手当を引き上げるための、本条例の改正には、反対致します。
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今日は、補正予算についても審議されました。私は3点について質問し、意見を述べました。
一つは、新しい制度「技能・経験に応じた保育士等の処遇改善」について。
保育士の給与を上げることには、もちろん賛成ですが、この制度では、これまではなかった副主任保育士、専門リーダー、
職務分野別リーダーなどの中堅の役職を決めて、その対象職員に対して特別の処遇改善をはかるというものです。
職員の差別化が強要される制度だと言えます。
市内では認可保育園を含めて4つの園が、申請を見合わせたことが分かりました。
市側の答弁では、その理由についてはっきり述べられませんでしたが、給与加算をあえて断るというのには、それなりの理由があるはずです。
私からは、他市の保育園の園長が、園のHPに掲載していた下記の文章を紹介しました。
「はたしてこれが処遇改善になるのかどうか大きな疑問があります。
施設の中で給与が加算ありの者と加算ナシの者が出て来ることによって、保育の連携またはチームワークに支障が生じる可能性があるのです。
保育は子どもたちがお互いの大切さを理解し合い、協力し支え合う人間形成の基礎を育む保育を行ってきたはずです。
保育は高度なチームワークによって子どもたちの成長を支える働きです。
この制度はこの基本的な保育精神の根幹を壊してしまう制度になる可能性があるのです。心ある施設長は悩んでいます。」
自治体は、こうした現場の声をしっかり国に届け、制度改正につなげて欲しいと要望しました。
他に、マイナンバー制度の情報連携に関わる補正予算について、マイナンバー制度の問題点を挙げながら質問しました。
もうひとつは、スクールソーシャルワーカー(SSW)について、50万円の当初予算が足りなくなったので、
30万円増額するという補正です。SSWの時間数が増えるのは歓迎ですが、もともと50万円では足りないのではないかと、
これまでの議会で指摘してきたにもかかわらず、補正予算にかける時期があまりにも遅く、さらに、
そもそもの当初予算の立て方に不可解な点が見つかりました。
その疑問をぶつけましたが、結局、誠実な回答が得られず、納得できないままに終わりました。
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