辻よし子と歩む会
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2017.3.24
長かった3月議会(1) 一般会計予算

辻よし子です。

2月21日から始まった3月議会が、本日、ようやく終わりました。
平成29年度の一般会計予算は、反対9人、賛成11人で可決されました。

議員になって驚いたことの一つは、市議会で審議される議案の多くが、国の制度改正に伴う市の条例改正だということです。
そして、そのほとんど全てが、当たり前のように可決されます。 これでは、まるで中央集権国家……。
予算についても、国の政策の影響を強く受け、一体、地方分権の理念はどこにあるのだろうと…と思ってしまいます。

そこで、今回の反対討論は、そのことに絞っておこないました。
少し長くなりますが、お読みいただけるとうれしいです。

~ 反対討論全文 ~
議席番号2番、会派くさしぎの辻よし子です。
議案第21号 平成29年度あきる野市一般会計予算に、反対の立場から申し上げます。

 ご存じの通り、平成12年4月に「地方 分権 一括法」が施行されました。
 この法律の制定を担った「地方 分権 推進委員会」では、地方分権の必要性について、次のような理由を挙げています。
 ひとつに、画一性と効率性を重視する、「中央集権型 行政 システム」は、キャッチアップの時代には有効であったが、制度疲労を起こし、新たな時代の状況と課題に適合しない。
 また、ひとつに、個性豊かな地域社会を形成するためには、地方分権を推進し、地域社会の自己決定権を拡充すべきである。
 また、ひとつに高齢社会・少子化社会に対応していくためには、市町村の創意工夫が重要であり、地方分権を推進し、行政の総合化と公私協働を促進する必要がある。
 こうした理念のもとに制定された「地方 分権 一括法」の施行から18年目を迎える今、果たして、どれだけ地方分権は進んだのでしょうか。
 あきる野市の平成29年度・一般会計予算案を見たとき、中央政府に対して、上下・主従の関係ではなく、対等・協力の関係を本気で築こうとしているのか、自己決定権の拡充に努力を重ねているのか、心もとない思いを持ちました。
 一般会計予算に反対する大きな理由の一つは、この点にあります。
 そこで、地方分権の観点から、いくつかの反対理由を述べます。

 平成29年度における地方交付税は、昨年度よりも、1億4千万円以上の減額が見込まれています。明確な影響額を示すことが出来ないにせよ、この減額に「トップランナー方式」の影響が出ていることは、間違いありません。
 ちなみに平成28年度は、トップランナー方式によって、基準財政需要額が1700万円減少しました。
 トップランナー方式は、「合理化」の進んだ自治体の経費水準を、基準財政需要額の算定基礎である、単位費用にするもので、地方交付税の理念に反する制度と言わざるを得ません。
 平成27年11月に全国知事会会長は、記者会見の中で、
 「トップランナー方式は、国が地方交付税を切りたいだけではないか。切ったものを国が持っていくという話だから、まったくおかしいとしか言いようがない。地方交付税の本質からはずれた制度だ」と、強い口調で述べています。
 しかし、平成28年10月に開かれた国と地方の協議の場や、同年12月に開催された総務大臣・地方六団体会合では、トップランナー方式の導入に関して、「地方の運営に支障が生じないように配慮を求める」と述べるにとどまっています

 一方、予算特別委員会において、トップランナー方式に対する澤井市長の見解を求めたところ、
 「トップランナー方式という形ではなく、財政に見合った形で民間委託するものはしていく」というご答弁でした。
 トップランナー方式そのものに対して、明確な反対の意志が示されなかったことは残念です。

 このままいけば、今後、さらに段階的に基準財政需要額の縮減が図られ、否応なく民間委託せざるを得ない事業が出て来ることが懸念されます。
 市としては、トップランナー方式による影響額を検証すると共に、地方交付税法の理念に則って、制度の見直しを求めていくべきではないでしょうか。
 また、その一方で、民間委託に対する市の基本的な考え方を整理し、民間委託に適合する業務内容の検討や、入札方法の改善、たとえば、総合評価入札の評価項目の見直しなど、調査・研究を進めていただきたいと思います。

 次に、ふるさと納税についてです。
 平成29年度予算では、あきる野ふるさと寄付事業経費として、374万3千円の予算が計上されています。
 ふるさと納税は、「地方」の自治体に住民税や所得税の一部を寄附し、地方と都会で税収の機会を分担する試みとして平成20年に始まりました。
 しかし、平成25年頃から返礼品競争が目立ち始め、応援したいふるさとに納税するという制度から、2,000円を払えば豪華な返礼品がもらえる「お得な」制度へと様変わりし、それに伴ってふるさと納税の額が急増しました。
 平成27年度は全国で726万件、1,653億円に達しています。
 返礼品合戦が過熱する中で、寄付の額に占める、返礼品の値段が上がり、5割から8割は普通、中には9割に達しているものもあるといいます。つまり、寄付金の大半が個人に還元されていることになります。たとえ返礼品に地元の商品を使えば地域振興につながるとしても、正しい税金の使い方であるかは疑問です。また、ふるさと納税に対する控除額が、富裕層ほど大きいという問題もあります。
 このように当初の趣旨から逸脱したふるさと納税において、返礼品の選択や準備、ネットでの広告などにあきる野市の職員の業務時間とエネルギーが裂かれることにも疑問を感じます。
 こうした中、今年2月、埼玉県所沢市の市長が「返礼品による納税獲得競争から離脱する」と宣言しました。
 また、東京23区では、ふるさと納税の制度によって、平成28年度の区民税の減収が、前年度の5.4倍に当たる129億に達する中、3月13日、特別区長会から総務省に対して、ふるさと納税の見直しを求める意見書が出されました。
 あきる野市においても、過熱する自治体間競争に翻弄されることなく、制度の見直しに向けて積極的に働きかけるよう求めます。

 次に、コンビニ交付についてです。
 平成29年度予算に、コンビニ交付のシステム構築費として540万円が計上されています。これは、住民票、印鑑証明、課税・非課税証明書をコンビニでも交付できるようにするためのシステム構築です。運用開始後は、毎年830万円のランニングコストがかかる他、1枚の申請につき115円をコンビニに支払うことになります。
 ところが、このコンビニ交付のサービスは、すべての市民が受けられるわけではなく、マイナンバーカードの所持者しか利用できません。現在、あきる野市におけるマイナンバーカードの交付率は、全人口の約8%です。
 平成27年度に交付された住民票、印鑑証明、課税・非課税証明書は、合計約77,000枚。仮にマイナンバーカードの交付率が10%まで伸び、マイナンバーカード所持者は全てコンビニ交付を利用すると仮定しても、証明書1枚当たりの単価は、1200円を超えます。現在、市民が支払う発行手数料は200円ですが、市としては、コンビニ交付の手数料を値上げする考えはなく、むしろ干渉のために値下げする可能性もあるとのことです。そうなると、一部の市民がコンビニで証明書を入手できるという便利さのために、一枚当たり1200円以上の税金が使われることになるかもしれません。
 これが、正しい税金の使い方と言えるでしょうか。コンビニ交付については、平成31年度までに導入すれば、システム構築費に国の特別交付税が1/2で措置され、ランニングコストについても2年間に限り1/2で措置されます。
 政府の思うようにマイナンバーカードが普及しない中、特別交付税の期限を短くするということは、コンビニ交付によってマイナンバーカードを普及させようという政府の目論みがあることは明らかです。実際に総務省の資料では、「マイナンバーカード普及策」の中にコンビニ交付が位置づけられています。
 特別交付税は、本来、災害など特別の財政需要が生じた場合や、基準財政需要額の算定方法によっては捉えきれない特別の財政需要がある場合などに対して措置されるものであったはずです。
 平成31年までに着手しないと特別交付税を出さないという、まるで鼻先にニンジンをぶら下げるような国のやり方に対し、あきる野市は、17年前、自己決定権を拡充するために施行され地方分権一括法の理念に立ち返り、毅然とした態度で臨むべきだと考えます。

 以上をもって、議案第21号 平成29年度あきる野市一般会計予算に対する反対討論と致します。

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