+ + + あきる野市議会議員辻よし子の議員活動報告 + + +
2017.3.3
福祉文教委員会の報告
辻よし子です。
今日は、私の所属する福祉文教委員会がありました。
2つの議案と2つの陳情を審議しました。
一昨日は総務委員会、昨日は環境建設委員会が開かれ、いずれも傍聴しましたが、
議会改革の一つとして目指している自由討議は、正直なところ、まだまだと言った感じです。
それに比べると、手前味噌ではありますが、福祉文教委員会では比較的活発な自由討議がおこなわれていると思います。
ただ、議論を深めるには、私自身、聞く力、話す力をもっと高めなければと、痛感しています。
さて、本日の委員会の審議内容を簡単に報告します。
①マル乳(乳幼児医療費助成)に関する条例の改正
文言修正で条例の中身が変わるものではありません。
しかし、文言修正のもとになった昨年5月の児童福祉法の改正は、児童虐待の防止、
虐待された児童の自立支援など、重要な内容を含んでいます。
そこで、あきる野市の児童虐待への取り組みについて質問しました。
担当課長からは、新しくあきる野ルピアに開設される子育て支援拠点で、
妊娠・出産時期からの悩み相談に応じることや、立川の児童相談所との連携、養育家庭への支援など、
積極的に取り組む姿勢が語られました。(子育て支援課の課長さんは女性です。
あきる野市には、女性課長さんがまだたったの3人しかいません。女性部長さんは、ゼロです。)
②主任介護支援専門員(主任ケアマネ)の更新制度について
主任ケアマネに対して、新たに5年毎の更新制度が設けられたことによる条例改正です。
この制度改正について、事前に介護現場の方からお話をうかがいました。
その中で、そもそもの主任ケアマネ制度自体に疑問を感じることがありました。
主任ケアマネとケアマネとの実質的な違いがはっきりしない。
主任制度によって差別化を図ることが必要なのか。
正職員5年経験が要件になっていて、非常勤でいくら長く経験を積んでも資格が取れない。
主任ケアマネのいる事業所には特別加算があるが、最低でも主任1人とケアマネ2人が加算の条件になっている。
そのため、3人もケアマネを置くことができない小規模の事業所は加算の対象から外され、
ただでさえ厳しい経営がますます不利な状況に追い込まれる。
こうした現場が抱える問題を議会で共有することが大切だと考えて、関連する質問をしました。
ただ、議案には反対せず、今回の制度改正で、市が新たに実施する主任ケアマネの研修について、その中身を充実させること、
そのために、何よりも現場を声を丁寧に聞くことなどを要望しました。
③介護保険制度の改善を求めた陳情
西多摩社会保障推進協議会から出された陳情です。
介護報酬の削減、利用者の負担増、軽度の介護支援の切り捨てなど、
自民党政権が進める介護保険制度の改正(改悪)の動きに対して、抜本的な見直しを求める陳情です。
審議の前に、まず陳情者からの陳述がありました。
あきる野市市議会では、陳情者が希望すれば、陳述ができます。
議員と陳述者だけの非公開の場であること、たったの20分程度の時間であることなど、
多くの問題点は残されていますが、陳情者の生の声が聞けることは、議員にとってはたいへん有り難いことです。
陳述では、介護現場の窮状と共に、政府の責任で財政措置を取るべきだということが、説得力を持って語られました。
その後の審議では、陳情に賛成の立場から、私を含む3人の議員が発言をしました。
中でも、保守系の議員の口から、「豊洲の移転問題や森友学園の用地取得問題には腹を立てている、
必要なところに必要なお金が回っていないことが、介護保険制度問題につながっている」という趣旨の発言が出たときには、
思わず拍手したくなりました。
一方、自公の議員からは、限られた財源の中では国民が負担し合うことが必要で、
「利用料の引き上げを実施しないこと」を求めている、
この陳情には賛成できない、という発言がありました。
何回か意見のキャッチボールはしましたが、結局、議論は平行線のまま採決。
3対3で同数となり、委員長が反対に回ったため不採択になりました。
④精神障害者もマル障(心身障害者医療費助成制度)の対象とすることについての陳情
西多摩精神障害者家族会(西多摩虹の会)から出された陳情です。
精神障害者の置かれた状況いついては、いくつか個別の事例は知っていましたが、
全体的なことについてほとんど何も知りませんでした。
そこで、事前に、陳情者からお話をうかがい、いろいろ勉強させていただきました。
精神障害者は、マル障だけではなく、障がい者福祉手当、福祉バスやタクシーの割引の対象からも外されていること
身体障がい者や知的障がい者は、ほとんど障がい者手帳を持っているのに対して、
心身障がい者は、障がい者手帳を持っている割合が極端に低いこと。
その理由として、手帳によって受けられる支援が少ないこと、手帳更新の手続きが他の障がい者手帳よりも煩雑であることなどが考えられる。
しかし、もっと根っこにある問題は、やはり、精神障がい者に対する社会の偏見や差別ではないか。
日本の障がい者福祉施策の歴史を見ると、精神障がい者が障がい者として認められるまで、
身体・知的に比べてはるかに長い年月がかかっている。身体障がい者福祉法施行から43年、知的障がい者福祉法施行から33年も経て、
ようやく公的に精神障がい者が障がい者に位置付けられた。
今日の陳情審議では、こうした精神障がい者の置かれた状況を議会の中で共有するために、
あえて行政側にいくつかの質問をさせていただきました。
さて、その後の審議ですが、実は、精神障害者家族会が、マル障の対象とすることを求めて都議会に提出した請願は、
すでに2月の厚生委員会で全会一致で採択されています。
そこで、今日の委員会では、もしかすると「あきる野市議会からわざわざ意見書を出す必要はない」
と言った意見が出されるのではないかと心配していました。
私としては、精神障がい者への差別をなくすためにも、ぜひ、あきる野市議会として意見書を出したいこと、
都議会本会議の開催は3月30日でまだ時間があること、都知事宛てに意見書を出すこともできることなどを発言しました。
結果的には、全ての議員が意見書を出すことに賛成し、全会一致で採択することができました。
今日の委員会報告は以上です。もっと短く、わかりやすく書こうと思ったのですが、こんなに長くなってしまいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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