辻よし子と歩む会
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2016.3.25
武蔵引田駅北口 土地区画整理事業

辻よし子です。
2016年3月25日のあきる野市議会本会議において行った反対討論の内容を以下に記載します。

(平成28年度 特別会計予算 反対討論)

議案第34号 「あきる野市秋多 都市計画事業 武蔵引田駅北口 土地区画整理事業 特別予算」について、
反対の立場から意見を述べます。

本事業に対しては、大きく2つの理由から反対します。

ひとつは、経済環境の厳しさが指摘される中、赤字財政を抱えるあきる野市が、なぜ、
巨額の税金をつぎ込んで企業誘致に走らなければならないかということです。
リスクの高い開発よりも社会福祉を充実させて欲しいというのが、多くの市民の願いではないでしょうか。

もう一つは、区画整理事業そのものが、住民の人権を無視した、非民主的な開発方法であるということです。

ここでは後者の理由に絞って討論します。

土地区画整理事業とは、道路や公園を作るために、住民から土地を買うのではなく、無償で提供せよという制度です。
そして、土地が出せない住民にはお金を出せと求めます。
「道路ができれば土地の値段が上がるから、タダ取りではない」という理屈です。

しかし、土地を「住まい」として利用している人にとっては、その土地の価値は金銭的な価値ではなく、
むしろ、日当たりや周辺の自然環境、風景といった金銭では計れない価値にあります。
土地区画整理事業によって、金銭的な価値が上がったとしても、住環境としての価値が下がり、
その上、清算金を取られるのであれば、到底納得できるはずがありません。

次の文章は、あきる野市内で既におこなわれた土地区画整理事業の当事者によって書かれたものです。


施行者は、快適な住環境を造るとパンフレットで宣伝しましたが、家続きの畑は、
区画整理で宅地と畑が分断され、減歩で住宅が密集。
区画整理前は窓を開ければ畑や栗林、梅林、空き地などゆったりとしていましたが、
区画整理事業後は、横も前も後ろも住宅となり、大きい音を出さないように生活し、
犬の鳴き声やお隣さんの話声まで聞こえてしまうようになりました。
道路が碁盤の目のように造られたため、T字路や十字路がたくさんでき、車も多く通るようになり
危険が増しました。施行者の言う、「快適なまちづくり」はウソでした。


そして、この文章を書かれた方の固定資産税は、区画整理によって事業前の3.3倍になり、年金生活を圧迫しているそうです。

また、土地区画整理事業においては、広い土地を持つ人と狭い土地しか持たない人との間で、
事業に対する利害が異なります。また、移転先の環境の違いによって住民間に不公平感が生じます。
そのことが、コミュニティーに与える影響は深刻です。すでに、区画整理事業の賛否をめぐって、
地元住民の人間関係にひびが入り始めていると聞きます。

さらに、今回の武蔵引田駅北口土地区画整理事業については、住民の意向調査が十分に行われていないことも大きな問題です。
市がアンケート調査を行ったのは2009年(平成21)年で、今から7年も前のことになります。
一昨年おこなわれた調査は、最初の調査で協力しないと答えた7%の住民だけを対象にした聴き取り調査です。

7年という月日の中でライフスタイルが変わり、土地区画整理事業に対する考え方も当然変わっている可能性があります。
それにもかかわらず、全住民を対象にした直近の調査をおこなわず、既に住民からの理解は得られたと結論づけたことは、
事業ありきの行政の横暴と言わざるを得ません。

さらに、東京都に事業の見直しを求める意見書が出されていることや、地元説明会で白紙撤回を求める意見が出されていることを知りながら、
そうした住民の声を無視し、事業実施に踏み切ったことは、少数者や弱者に寄り添うべき行政の姿勢として、
認めるわけにはいきません。

そもそも精算金がいくらになるのか、換地先がどうなるのか、住民にとって最も重要な内容が、
今はまだ、具体的に示されていません。そのため多くの住民は、まだ雲をつかむような話で、
反対の声を上げるまでには至っていないというのが、実情ではないでしょうか。

言ってしまえば、よく分からないうちに事業が始まり、始まってしまえばもうすでに決まったことだからと
無理やり納得させられる、これが、非民主的な土地区画整理事業の手法です。

市側は膝を交えて丁寧に説明すると言いますが、正しくは説明ではなく、説得です。
納得できない住民は、繰り返し行政から説得されることになり、そのこと自体が大きな精神的負担になることでしょう。
さらに周りで合意する住民が多くなれば、孤立感や疎外感を深めることにもなります。

予算特別委員会において、どうしても納得できない住民がいた場合に、計画の変更や中止はあり得るかという質問をしましたが、
計画通りに事業を進める決意ばかりが強調され、住民の意志を尊重するという言葉を聞くことはできませんでした。

人権無視の非民主的な土地区画整理事業については、既に各所で問題になり、裁判となっている事例も少なくありません。
これまで全国で、土地区画整理事業によって多くの市民が苦しみ、その犠牲になって来ました。

こうした事実に謙虚に向き合い、同じような犠牲者をあきる野市でつくることがないよう、
事業の再考を強く求め、反対討論とします。


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